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テーマ:政治について(19770)
カテゴリ:時事
4日間続く米民主党大会の2日目のハイライトは何と言っても、ヒラリーの演説。
オバマから民主党員の約半分を奪い去ったヒラリーがどうオバマを支持するよう自分の支持者へ説得するかが注目されていた。 感想は、すばらしいの一言です。 ヒラリーは夜10時に演説を予定していたのだが、約20分遅れた。CNNキャスターは、ビル・クリントンが原稿に手直ししたが、その筆跡があまりにひどくて本人も読めないくらいなので、修正に手間取っているらしい、と解説。 そこまれいわれるんやな。。。 が、そんなのはヒラリーの演説をきけば、ふっとぶ。 よくぞあれだけ煮え湯を飲ませられたオバマにあれだけの賛辞を送ったか。すでに大統領選敗北宣言ですか?という感じ。あ、ちなみに、大統領選で、民主党対共和党の一騎打ちの後、「一人のヒーローと一人の大統領が生まれる」といいます。 本当に、ヒーロー。ヒラリーの演説の前に、娘のチェルシーがヒラリーのイントロをした。その彼女も、「私の母であり、私のヒーロー」と紹介していたが、本当にチェルシーだけのヒーローじゃないよ、という印象を多くの人が持ったはず。 ヒラリーは、自分の支持層に説得する。 アメリカという国はいろんなことを教えてくれた。(支持者の)一人は最低賃金で生活苦だ。一人は、がんだけど社会保険がなく子供のために一生懸命働いている。一人は兵隊に行った人だ。 私を支持してくれた人は、私のために支持したのか?最低賃金で生活苦の人のためではないのか、社会保険のない、がんの子持ちのためではないのか、兵隊にいった若者のためではないのか。 まさにピンポイントにヒラリーの支持層の牙城に狙いを定めている。 そして、国民全員をカバーする社会保険制度を作ると公約しているオバマに支持してほしい。彼ならやってくれる。そして、彼をちゃんとホワイトハウスへ送り込もう。 だが、もちろん負け犬的では決してない。 私が大統領に立候補したのは、エネルギー価格高騰であえいでいる中級クラスの人々のため、エネルギー輸入に頼らない社会を作るため。 私が大統領に立候補したのは、イラク戦争を早く責任を果たした上での撤退のため。 私が大統領に立候補したのは、社会をよりよい社会へ前進させるため。祖母は女性が投票権を持たない時代に生まれた。だが、娘にはアメリカは何でもできる社会だからチャンスを求めて戦えといった。そうして、女性は選挙権をもった。今、マケイン候補は最低賃金の男女差別を放置しようとしている。同じであるべきなのに。もっともっと平等のチャンスを受けられる社会を、夢を追い求められる社会を。 と謳いあげては、その都度、オバマがやってくれる、と〆る。 本当に観ていて、迫力がある。原稿なんて(ほとんど)見ない。基本的に自分で書いたというから、すべて暗記するくらいの勢いだ。 途中途中で拍手があっても、ほとんど間をおかずに、叫ぶ。私なら多分この演説が終わったら、のどがかれちゃう。そのくらいの勢い。全身で、自分の支持層をオバマに全員投票させようという気迫がみなぎっている。 終わったら、ものすごいスタンディングオーベーションと拍手だ。 泣いていた観客も多い。 CNNが一人を演説後取材していたが、この人は熱烈ヒラリーファンのようだが、「あの演説は大統領の演説だ。私は彼女に自分の将来を重ねた。あれだけ夢を追いかけたヒラリーに元気をもらった。」なのに、何で負けちゃうの?彼女的には全然納得のいく話じゃないだろう。 でも、ヒラリーの演説を聞いて、11月(本選)にオバマに投票する?「マケインには投票しないわ。。。」だが、オバマに投票するべきかどうか迷い中だそうだ。 キャスターたちも、何でオバマはヒラリーを副大統領候補に指名しなかったの?という疑問を口にしていた。これだけオバマ支持をいってくれたのに。私もそう思った。 もちろん、キャスターも私も、ヒラリーとオバマの接戦や仲の悪さは散々聞かされた。ヒラリーでは必ずしもオバマの弱点を補えないということも知っている。けど、そう思わざるをえないほどの説得力、オバマへの惜しまない賛辞を差し伸べた。 本当にオバマへの支持は、すごくて、キャスターも、こんなに相手の候補に気前のいい演説した人はいないんじゃない?といわせるくらいなのです。 今までのヒラリーではないかもしれない。Yes, I canといっていた、私がと我の強かったヒラリーではない。 スポーツマンシップで謳われる、負けた側が勝った側に送る賛辞のような、すがすがしさが、感じられた。 これでかなりヒラリーの株は上がった。さてさて、オバマがどんな演説を聞かせてくれるのだろう? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
August 27, 2008 02:08:31 PM
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