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我思う、ゆえに我あり

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yukie_yo

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July 8, 2009
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カテゴリ:時事
この間マイケル・ジャクソンが死んで以来アメリカは大騒ぎしていますが、また一人、著名人が亡くなりました。マクナマラ元国防長官。そう、ベトナム戦争時代の国防長官です。で、今日の新聞は思い出やらマクナマラの意味とか、いろいろ書いています。

このマクナマラとベトナム戦争と、ラムズフェルドとイラク戦争、ものすごく似ているように思うんです。

まずは、この二人の国防長官の共通点。それは元会社社長であること。しかも、その会社のコスト削減に成功して、利益率アップさせた人々です。そういうのが目立って、本人もビジネス界を制覇したつもりになって政界に打って出たいと思うし、大統領側も閣僚に入れたいと考えるわけにもなる。

私、社長業をやったことはないので、なんですが、この社長業経験が国防長官という職業には最もむいていないのではないか、と考えている。

なぜかというと、まず、軍隊というものは、一種の保険であるので、本来使わないことを以て上策とする。が、社長業をやってきた人に言わせると、訓練だけして、後は給料を払って遊ばしておくだと?ということになり、ついつい使うべきだろう、と思い、使う環境を作ってしまう。(社長業は、社員が活躍する場を作るのがお仕事ですから)

で、ないことをでっち上げてでも、米軍を酷使することを考える。マクナマラは、ベトナム戦争のアメリカ本格介入開始のきっかけとなる、トンキン湾事件をでっちあげた。ラムスフェルドの場合はイラクがWMDを持っているかもしれないという(限りなく白に近いが、絶対白とはいえない程度といわれている)CIAの報告書をMAXに捉えて、持っていることにした。まあ、小泉流に言えば、備えあれば憂いなし、的な考えだ。

もちろん、その上に大統領というボスがいる。が、強弁は可能だろう。大統領には、戦争をすれば、国の経済は潤い、再選しやすくなりますよ、というマジックワードをささやけば、簡単にその気にさせられる。また、アメリカ人が外国で殺されたといえば、過剰に反応する。そうすれば、「強い俺」を演出できるし、再選にこれまた有利となる。

事実、ジョンソン大統領もブッシュ大統領も、ベトナム、イラク戦争を引き起こしたのは、一期目だ。二人の大統領が再選できるかどうかの分かれ目は、相手の国の軍の粘り強さというべきか。

とりあえず、ベトナムはジャングルの奥地にまで米軍を引っ張り込んで、硬直させている間に、アメリカ国民にベトナム戦争への疑問を投げかける戦術をした。おかげで、ジョンソン大統領は、ベトコンとアメリカ世論と両方に対し戦わざるを得ず、ベトコンは勝利した。わずか2万しか米兵を殺していないのに、見事なまでの、対米攻略だ。そういう意味では、日本も開戦時に、ハワイじゃなくて、フィリピンを攻撃して、ハル・ノートを公表していれば、ベトナム戦争と同じことができただろうに。

イラクの場合、イラク兵がほとんど粘りを見せずに、イラク戦争に国民が疑問を持つ前に終わっちゃった。その代わり、占領期に粘りをみせて、やはりベトナムと同じ状況に陥り、ブッシュの後継者、マケインは選挙に負け、米軍は不名誉撤退を開始している。

あと、社長業を経験している人は、大概何かしら業務評価のための指標をもっている。部下からの報告だけではなくて、そういう指標も照らし合わせて、現実を見極めようとする。例えば、緒方貞子さん。彼女の本を読むと、UNHCR時代、難民キャンプの子供の笑顔を視察中にどれだけ発見できるかで、現実を把握しようとしている。

で、マクナマラもラムズフェルドも、他の国防長官(特に軍人上がり)が使っていない指標を重視してしまったのではないか?と考えている。マクナマラの場合、自らの主張は間違っていなかったというのを残りの生涯ずっと訴え続けていた人で、本人出演かつ、一人で弁明しまくっている映画「フォグ・オブ・ウォー」というのがある。

これを見ると、やはり、数字を重視した、といっていた。何の数字か忘れてしまったけれど、命中率とか、火力の彼我比較とか、各戦闘の勝率とか、そういうのではなかろうか。

この辺りは、まさに旧日本軍が中国に対してやった誤りと同じだ。日本も各戦闘では大体いつも勝っている。が、所詮人数が足りないから、点と線ばかりの占領となって、面にまでいかない。それでも、勝率とかそういう数字だけでみると、旧日本軍驀進中、いけいけどんどん、でいいじゃん、となる。しかし、それは現実とはほど遠い。

要は、ゲリラ戦と通常戦とでは、見るべき指標が異なるのだ。

そうして、現実とは違う理解を一度すると、また理解と違う現実が生まれた場合、その現実を否定して、自分の理解に固執していく。それは、負けていれば負けるほど、その現実逃避は激しくなっていく。しかも、国防長官になるまでに、色んな状況でなまじ成功している経験をもっているだけに、ちっとやそっとのことでは、自信は失わないし、多少自分の見解と違う現実があっても、大筋俺があっているに違いない、と思っちゃう。

さらにまた、謝らない文化なので、(特にエリートは)そいつをくびにしない限り、泥沼にはまり続ける。

いずれにしても、悲しい人間の性なのだろうか。





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Last updated  July 8, 2009 03:04:16 PM
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