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我思う、ゆえに我あり

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yukie_yo

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July 17, 2010
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カテゴリ:仕事
今日は、アラブ主義・イスラム主義の論文を読んでいたんですが、結構面白かったです。

アラブ主義、イスラム主義というのは、ヨーロッパからの侵略、搾取に対しアラブ人、イスラム教徒は団結して立ち向かおう!主義です。

イスラム教そのものが、その昔ヨーロッパから攻めてきた時に対抗してアラブ人、団結せよ!の想いでできたわけだから、その再興というべきなのかもしれない。

最初は、でもヨーロッパというよりは、18世紀の終わりごろ、オットーマントルコ帝国に支配されていた頃、アラブ人はトルコ人に差別されていたので、アラブ文化、アラブ人の地位向上を狙ったようだ。

それから、ヨーロッパがやってきて、石油を一部とるようになる。

で、アラビアのローレンスなどにだまされつつも、アラブ人のナショナリズムというか、アラブ主義、イスラム主義が盛り上がる。

そのナショナリズムは、ナセル大統領がエジプトを奪還し、インド同様第三の道を選び、西側陣営、東側陣営を両天秤にかけて、バランスをとろう計画を実行していた頃に、ピークを迎える。

結局は、西側が手を引いたので、アスワン・ハイダムなどソ連の支援で建設することになったし、武器もソ連側から調達するようにもなった。

その一方で、イラクの王様は、ヨーロッパと協定を結んで、西側についたりと、一枚岩ではなかった。

そして、中東における、西側の根城・イスラエルと戦争となる。いわゆる、第1-4次中東戦争。

しかし、第三次(67年)が潮時で、イスラエルは追い出せん、と諦めるようになる。

また、アラブの中でも、石油が取れるところと取れないところとに分かれるようになり、産油国にすれば、ヨーロッパは自分の商品をほぼ全部買ってくれるお得意先であるから、安易に反米、反ヨーロッパというわけにもいかず、GCC(湾岸諸国協力機構)を作るなど、別行動をとろうとする。

そういう流れを見ていると、ついついアジア主義の歴史を思い出します。この間論文を書き上げただけに。

やっぱり、人間考えることは似たようなもん。

アジア主義の論文には、戦前反米、反ヨーロッパ、或いは親米、親ヨーロッパ的な人もいたけれど、その一方で日本が西洋の知識や技術を吸収したり、好意を受けた結果、日露戦争に勝ったり、経済発展をしたので、その部分も視野に入れた上で、コスモポリタンと名づけた、東西を受け入れるような思想を考えた人もいた、と書いている。

で、アラブ主義やイスラム主義を産んだ中東を見ていても、反米、反ヨーロッパな要素もあれば、親米、親ヨーロッパな部分もある。その一方で、さらに一歩進めて、コスモポリタンを考えた人たちもいる。

ここからが、考えどころなんだけれども、今まではアメリカ系、ヨーロッパ系の石油会社がほぼ独占的に買っていたのが、だんだん石油会社を産油国が国有化して主導権、利益を奪っていった。そして、直接日本やその他の国と直接石油、天然ガスを売るようになる。

で、いまや、サウジアラビアがアメリカに売る石油の量よりも、中国に売る量の方が多くなっている。他にも、アジアのお得意先の方が西洋よりも多く買ってくれる。

ということは、中東諸国の政府の中に、上得意だから西洋に敵対してはならぬ、という雰囲気がだんだんに薄れていくという可能性が高まっていく、ということでもある。

そうなってしまうと、カタールなど米軍の中東駐留が難しくなっていくということにもつながりかねず、周辺のミリタリーバランスが変わってしまいかねない。

しかし、東アジアと同様、そんな事態に対応できるような、安保を担当する地域機構もまだない。けれど、米軍が出て行くとなれば、だんだんに出来ていくのかもしれない。

けれど、東アジアに日本と中国の二巨頭があって、緊張関係を引き起こせる可能性があったり、北朝鮮のようにみんなの鼻つまみ者があるように、中東にも、サウジアラビアの向こうを張るのが、イランであり、これもまた、緊張関係と友好関係の入り混じった複雑な関係だ。さらに、イスラエルという鼻つまみ者がいる。

中東だと、スンニとシーアとに別れているおかげで、シーアのほとんどがイランにいる関係上、イランの方が大分分が悪いが、人口分布を見れば、サウジのイラン側とか、イエメンとか、何気にちょこちょこといるから、安易に切り捨てられるわけでもないようだ。

イランとイスラエルが、この地域のひねりだ。

そう考えていくと、東アジアと似ていて、面白いかもしれない。





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Last updated  July 17, 2010 02:51:12 PM
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