我思う、ゆえに我あり

日本のメディアは、連日首相がどう動いた、小沢氏は何をいったとか、事細かに報道して、虚実の見境がつかないほどだ。

衆院選の選挙活動があれだけ得意な小沢氏が党首選でこけるような気もしないんだが。（こけそうなら、海江田氏を出したままにすると思うんだが。）本人がでるのだから、それだけの勝算はあるのだろうと思うのが、当然だろうに。

さて、本題。小沢氏は、日米関係に悪影響か？

確かに、去年日米中は正三角形であるべき、といってみたり、アメリカには来ないで、中国に600人も引き連れて行ったし。国連中心主義もよく分からないし。

加えて、小沢氏が首相になったら、予算をもう一度見直すといっているから、去年からの日米間の政府間交渉も一からやり直しの可能性はある。（合意文書があるもの以外？）

これは、確かにアメリカ側の役人たちは、憂鬱である。

が、正直言って、小沢氏が首相になれば、首相時代は起訴されないわけだから、次の衆院選がある２年先までは、首相を勤められる。

ということは、ここ数年毎年首相が代わっていた日本に、2年もつ首相が誕生することになる。

そして、自民党の元首相以外の議員を小沢氏と並べても、引けを取らないし、大概大人と子供のけんかみたいな感じになる。橋本元首相のライバルだった人だ、それなりに宰相になるべく田中角栄から薫陶を受けている。最近の思っていなかったけど、成り行きでなれちゃったぼんぼん首相ではない。（菅首相も違うけど）

きっと小泉首相以来の安定政権ができるはず。やり方はどれだけ強引かしらないが、鳩山首相なんかよりは、はるかに足腰がしっかりするはず。少なくても、官僚の扱い方は鳩山首相や菅首相よりも、はるかにうまいだろう。

それに、戦略的な会話ができる。

例えば、日米中を正三角形にしたいという考えも、最近の中国の進出でどれだけ考えが変わったのか、不明であるが、アメリカ側に変わったとしたら、それは国務省にとって朗報だ。変わっていないとしても、もっと突っ込んで、対中政策について話ができるだろう。

アメリカ人は、基本的に何でもイエスをいう人を評価しない。そりゃ、ジャパンハンドラーズの数人は悲鳴を上げるだろうけど、日本側が筋を通せば（論理的に、だが。国内でしか通用しないロジックは無理だけど）、ジャパンハンドラーズのボスたち（大統領や国務長官）が評価すればいい。ボスには逆らえない。今のジャパンハンドラーズで、閣僚クラスになるような根性がある、ジェネラリストは、基本的にいない。

但し、マンツーマンなら小沢氏は理解されるだろうけど、ＰＲは全般的に弱いから、その点はちょっと不安かな。これだけ、アメリカに不信感を与えているのだから。（かなりの部分は、日本のメディアも部分的に責任があるだろうけど）

一方、菅首相が続いたとしても、小沢氏と折り合いがつかないようになると、鳩山氏のようにポイ捨てされる危険性が常にある。

で、菅首相が一年もって、次の一年別の首相が誕生する可能性もある。

そっちの方が、交渉相手としてはアメリカは、ありがたくない。

だから、必ずしも小沢首相は日米関係には悪影響ではないと思う。