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ゆきよきの言語学・夏目漱石・日本史

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2016年10月11日
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カテゴリ:言語学
 本ブログでは、明日より「三浦つとむ『認識と言語の理論』を読む」と題した論稿を掲載していきます。

 人が自分の思いを正確に伝えようとすれば、また他人の気持ちを正確に理解しようとすれば、言語についての正しい把握が必要になってきます。筆者はこれまで、本ブログにおいて、人類が言語をどのように研究してきたのかの歴史を概観してきました。その中で明らかになったことは、言語の問題を解明するためには、認識の問題を論理的に解き明かしておく必要があるということでした。それは、言語が認識を表現したものであるからです。

 こうした言語研究史の流れを踏まえて、今回は三浦つとむ『認識と言語の理論』を読み解いていきたいと思います。三浦は戦前から映画論などを発表し、戦後は認識論、表現論について言語を中心に研究するとともに、マルクス主義の研究者として、マルクスやエンゲルスの思想を正しく継承し発展させることに尽力した人物です。特に『弁証法はどういう科学か』は、我々の研究会でも弁証法の基本書として、何度も何度も繰り返し学んでいるものです。今回は、弁証法学者としての三浦ではなく、言語学者としての三浦に焦点を当てて『認識と言語の理論』を読んでいきますが、ここにも三浦の弁証法の実力がいかんなく発揮されています。

 三浦は本書において、言語研究のためには認識の理論を構築しておく必要があるという明確な問題意識のもと、第1部において言語学に必要な認識論を説き、それを踏まえて第2部では言語の理論を説いていきます。いわゆる「言語学者」が、言語の形式や機能にだけ着目して、言語の内容を一切問えないような実力しか持っていないことを徹底的に批判し、言語が表現の一種であること、すなわち言語が認識の反映としての性質を持つことを明らかにするとともに、言語の表現一般における特殊性について、特に言語を二重性として把握するという形で解明しています。

 本稿では、こうした三浦の言語理論の詳細について説いていくこととします。そして三浦の言語理論の歴史的位置づけを明らかにするとともに、筆者の志す科学的な言語学体系の創出の土台を固めていきたいと考えています。

 では以下に、連載論文の目次を示しておきます。

--------------------------------------------------------------

〈目次〉

序論
(1)言語に関する科学的な理論が求められている
(2)三浦言語学の歴史的意義とは何か

本論
1、三浦は言語学にとって必要な認識論から説き始めた
(3)言語を問う前提として認識を問う
(4)人間の観念的な自己分裂とは何か
(5)規範とは何か

2、三浦は認識から表現への過程的構造を解明した
(6)表現とは何か
(7)言語の表現としての特殊性とは何か
(8)言語における観念的な自己運動とはどのようなものか

3、三浦は言語を二重性で把握した
(9)客体的表現と主体的表現とは何か
(10)言語の「意味」と「意義」の違いを説く
(11)言語表現と非言語表現との統一としての言語

結論
(12)三浦言語学は言語を矛盾として把握した
(13)科学的な言語学体系の創出を目指して





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最終更新日  2016年10月11日 09時16分22秒
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ガラスの玉は、本物の真珠をきどるとき、はじめてニセモノとなる。

政治の分野であろうと学問の分野であろうと、革命的な仕事にたずさわる人たちは道のないところを進んでいく。時にはほこりだらけや泥だらけの野原を横切り、あるいは沼地や密林をとおりぬけていく。あやまった方向へ行きかけて仲間に注意されることもあれば、つまずいて倒れたために傷をこしらえることもあろう。これらは大なり小なり、誰もがさけられないことである。真の革命家はそれをすこしも恐れなかった。われわれも恐れてはならない。ほこりだらけになったり、靴をよごしたり、傷を受けたりすることをいやがる者は、道に志すのをやめるがよい。

孤独を恐れ孤独を拒否してはならない。名誉ある孤独、誇るべき孤独のなかでたたかうとき、そこに訪れてくる味方との間にこそ、もっとも深くもっともかたいむすびつきと協力が生まれるであろう。また、一時の孤独をもおそれず、孤独の苦しみに耐える力を与えてくれるものは、自分のとらえたものが深い真実でありこの真実が万人のために奉仕するという確信であり、さらにこの真実を受けとって自分の正しさを理解し自分の味方になってくれる人間がかならずあらわれるにちがいないという確信である。

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