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カテゴリ:ヨーロッパ
某スポーツの世界大会に出場したスロバキアのルボスとマロス。
私はちょっとあいた時間があると、彼らと一緒に「イチ・ニ・サン・シ・・」 と日本語で指を数えながら、時々数字を教えていた。 たまには、ぱっと指を見せて「これ、何本?」とクイズをしたり。 2人はいつも楽しそうに日本語の数字を覚えていった。 それから2週間の間、彼らのレースがある時は、声を張り上げて応援した レースが終ったら必ず会いに来てくれて 「応援してくれたんだよね?ありがとう」 「うん、すごい頑張ったね!」 英語があまりできなくても、身振り手振りと新しく覚えたスロバキア語の挨拶で話をした。 たまには川原に座って一緒に話したり、レストランで一緒に食事をしたり・・・。 ある日、レストラン内を歩いている私をルボスとマロスが呼び、手招きをされた。 そばに行くと、「これ、yuliaへのプレゼントだよ」と言われ、包みを渡された。 中にはスロバキアチームのTシャツと帽子。 私もスロバキアチームの一員になった。 彼らの帰る日。 2人が乗る予定の、空港近くのホテル行きのバスがやってきた 私はボロボロ泣きながら、「必ず北京オリンピックで会おうね」と言いつづけた 2人は私に大きなハグをして、いっぱいキスをしてバスに乗り込んだ。 そして、ルボスが手を振りながら、覚えたての、彼の精一杯の日本語を私に向かって大声で言った。 「こんにちは~~!」 バスの中で、事態を見守っていた他の乗客は大笑い。 私も思わず少し笑ってしまった・・・。 でもそれは、ルボスなりの一生懸命の“さようなら”だ。 私の心に響く、彼の精一杯のさようならだった。 それに・・・ずっと泣いてばかりの私が、最後にちょっとだけ笑顔になってお別れが出来た。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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