私のたからもの

ルーマニアからやってきたアスリート団、４４人。
来日してすぐに全員のパスポートを預かり、コピーして保管。４４枚。
そして、一人一人にホテルの部屋の鍵を手渡す。４４部屋分。

ところが！！！
数日後、大会の宿泊部部長からの電話。
「ルーマニアってさぁ、４５人来てない？今すぐに確認して」

何度見ても、何度数えてもパスポートのコピーは４４枚で、
ホテルのフロントに確認してもらっても４４部屋しか泊まっていない。

「絶対に４４人ですっ！」

私はみじんの疑いもなく、答えた。

それから２週間。
ありとあらゆる事で頭を悩まされたり、振り回されたり、
思わず感動したり、また谷底に突き落とされる気分になったり・・・。
それでもなんとか無事に最後まで一緒に過ごす事が出来た。
途中で２人の男性が先に帰国して、それから残りの人達の帰国日を迎えた。
この時点で、ホテルの部屋は４２部屋、４２人。

前日、マネージャーのオクサーナに最後の確認をした。
「明日、帰国するのは何人？」（彼らは２日間に分かれて帰国する
「明日は１８人が帰るわ。」
「じゃあ、この名簿の中で誰が帰るかチェックしてもらえる？」
オクサーナはちゃんと１８人に丸をつけた。

次の日の朝。大型台風到来
私たちボランティアは、これまでに苦労して取った切符やバスの手配が一瞬にして狂ったために
朝から大忙しだった。
他にも帰国するチームがたくさんいたため、ホテルは大混乱していた。
ルーマニアチーム用のバスが来た　今日帰る人達が乗り込んだ。
誰かが私の代わりに人数を数えてくれた。
「yulia！！　１９人おるよ～～！！」
「えっ～！？　１８人のはずだよ？」
「どうする？」
「もう、ええわ。空港に行って、飛行機に乗れなかったら戻ってくるよね？」
「そうやな。運転手さん！出発させてくださ～い」

バスを見送った私に、ホテルのスタッフが声を掛けた。
「あのぅ・・・。さっき帰ったルーマニアの人なんですけど。
　一人、明日の予約も入ってるのに今のバスに乗って行ってしまいました・・・・」
スタッフの手には部屋の鍵。やはり一人は一日早くチェックアウトしたらしい。

その日。間違えて空港に向かったはずのルーマニア人は、戻っては来なかった。

次の日残りの２３人を送り出す。
他のボランティアが私に言った。
「ねぇ、yulia。結局今日帰るルーマニア人は何人？」
「残り全部よっ！」
「あははは。そうだよね。ルーマニア人を数字で言うのは無理だよね！」
私たちの頭が少し狂ってきた（笑）

そして、その日。ルーマニア人は２４人帰って行ったのだ！！！！

最初から・・・・４５人来日していたのだろうか？
初日に帰った人数が違ったのだろうか？
もう・・・・分からないよぉ～～～～～～

こんな人達なのに、帰る前日、秤を持って各部屋を回っている女の子に会った。
私が「手荷物は約１０キロまでだよ」と言ったから、全員の手荷物をジャスト１０キロにする為に
計って回ってると言う。

キッチリすべきところが、ちょっとズレてませんかぁ～～～～！（笑）