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青森の弁護士 自己破産 個人再生 

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yuuseiーyuusei

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2006.12.14
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カテゴリ:相続
被相続人所有の土地上に相続人の建物を建築して所有している場合、当該土地の使用貸借が特別

受益となりうるかについては、遺産分割の審判を担当する実務家において問題とされてきた。

すなわち、民法903条1項は、特別受益の対象となる財産の範囲を1遺贈2婚姻、養子縁組の

ための贈与3生計の資本としての贈与と規定しているところ本件のように土地の使用貸借権の設

定行為がされていることも多く、このような場合、これが上記3の生計の資本としての贈与がさ

れたとして特別受益によるといえるかが争われるからである。これについては、同条の趣旨は、

共同相続人の中に、特別に利益を得ている者がいる場合には、その者の2重の利益を防止し、相

続人間の公平を図るというものであるから実質的に被相続人から利益を与えられ、その他の相続

人に比して過大であるような場合にはこれを贈与として持ち戻しの対象とするのが相当である。

東京地裁平成15年11月17日判決は、相続人が被相続人から土地の使用貸借権の設定を受け

ることが特別受益となるとしたが、その前提として

1原告は亡父の経営する個人商店に勤務していたが亡父は経営が思わしくないために原告の生活

を援助する目的で、本件土地を原告のアパート経営のために使用させていたこと

2相続開始時における本件土地の使用借権は2000万円の価値があること

3相続開始時における本件土地の新規賃料は月額33万8000円と高額であること

4原告は本件土地の固定資産税の支払いをしており、亡父及び実母に対して給与の支払もしてい

たが、扶養料の支払いをしていなかったと認定判断していることに留意すべきである。

すなわち、土地の使用貸借権の設定が特別受益になる否かについては、当該相続人と被相続人と

の扶養関係がいかなるものであったのか、当該土地の管理費用等の負担はどのようにされていた

のか、被相続人が他の相続人に対してどのような援助をしていたのかなどの具体的事情を検討し

なければ、当該使用貸借権の設定行為が生計の資本としての贈与と言えるかどうか判断できない

からである。

本判決判旨

遺留分減殺請求権者が遺産である土地上の建物を所有し、当該土地を無償で使用している事例に

おいて1当該土地の使用貸借権は特別受益となりうる2その場合の価格については、土地の更地

価格の15パーセントとするのが相当である3しかし、使用期間中の賃料相当額については、使

用貸借権の価格の中に織り込まれており、使用貸借権のほかに更に使用料相当額を特別受益

とすることはできない。

      判例タイムズ1215号140頁 秋武憲一判事の解説

相続人の一部が共同相続財産を単独で占有使用する場合の法律関係について

      判例タイムズ1236号 58頁





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Last updated  2007.07.03 06:12:52



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