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カテゴリ:損害賠償
民事訴訟における準備書面・陳述書の記載が名誉毀損とされた事例
民事裁判においては、原告被告双方が有利な判決を得るために主張立証をすることとなるが、 準備書面・陳述書において相手の名誉を毀損したり、侮辱的な言辞が使われたりすることが ないではない。陳述書を出すという手法は平成6年頃から始まったものであるが、陳述書に おいてもよくありうることである。 これらについて名誉毀損行為として訴訟をなした場合、違法性阻却事由の一つとして民事訴 訟における主張立証上必要な行為があげられることがある。 民事訴訟の場で相手方当事者や第3者の社会的評価を低下させる主張立証行為がされれば、 外形的には名誉毀損行為の構成要件を充足することになる。しかしながら、双方が事実関係 についての主張立証を尽くして当事者間の民事法律関係を公権的に確定するという民事訴訟 の昨日や、相手方に反論反証する機会が保障されていることなどに照らし、争点にかかつ主 張立証に必要であり、用語などの表現方法も不動であうとはいえず、訴訟活動に名を借りて 個人攻撃の意図で行われたものでない場合には、名誉毀損行為の違法性が阻却され不法行為 による損害賠償責任を負わないとされるのが下級審裁判例の大勢である。 東京地裁平成18年3月20日判決は、原告が主張する名誉毀損行為のうち一部については 訴訟行為に名を借りて個人攻撃を行い相手方に不愉快な思いをさせることを主たる目的と するものと推認されても止むを得ないものと判断して損害賠償20万円を命じた。 判例タイムズ1244号240頁 頭注 ブログランキング参加してます。 ↓ クリック、よろしく! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.09.20 07:18:48
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