易溶性・易燃性の読み方のまとめと漢字教育の在り方を考える
易溶性の読み方について、次のような意見が出されました。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・確かに難易のイではあるけれど、化学の用語としてはなんよう性、えきよう性だと思うのだけれど・・調べた範囲では、確証が得られなかったので、あくまでも直感なのですが・・「イヨウ性」というのは音として、何とも収まりが悪いのですが、どんなものでしょうか。(February 27, 2008 17:22:12)カーテンの繊維でよく使われるのですが、難燃性繊維というのがあり、その反対が易燃性でこれもイネン性ではなく、エキネン性と読むので、化学の溶解度の問題もやっぱりエキヨウ性という読み方が妥当な気がします。(February 27, 2008 19:33:36) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・上記の意見は、次のブログに対しての意見でした。 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 漢字を使える子供にするために「ねえねえ、」と主任研究員A男氏がやって来た。化学薬品についての注意書きの話を私の隣にいるマネージャに聞きに来たわけだ。話の中で「エキヨウ」とか、「ナンヨウか」と言う言葉が出てくる。「それはイヨウじゃないの?」と口を挟んでしまった。Aさんは豆鉄砲を食らった鳩みたいな顔で「エキヨウじゃないの?」と、言う。「物が溶けにくいとか溶けやすいの難溶、易溶でしょ?」「そうだ」「難易度」ってあるでしょ、あの通りですよ。」ここまで話すと納得してくれたが、A男氏は、ばりばりの大卒でキャリアだ。「化学の知識と国語力は違うんだ」と思い知った。A男氏には、男の子と女の子がいるそうだが、くれぐれも正確な読みをしてあげて欲しい。大人がきちんと覚えてなかったら子供には正しく伝わらない。この頃、世代間の会話、語彙が通じないことがあるのはそのあたりが不徹底、いや親の世代が不勉強だからだろうか。 このような話は、何処にでも転がってる事ですよね。(Hさんの話のまとめ) 易の指導 ・・・・・・・・・・ 上のようなプリントを作りました。(『たのしくみにつく漢字の力』(ルック)始めに、音訓の読み方を同時に指導します。この音訓同時の読み方の指導で、易の漢字の意味は、殆ど、分かりますね。(現在の、教科書では、音と訓を別の時に教えているのもあります。)易は、その読み方で、意味が、違って来ますね。次に、この事を漢字語(熟語)・句・文の実際に即しての学習です。この時、辞書を使うと、いいですね。この時、漢字語として、貿易・交易・安易・簡易・軽易・容易・難易・易しい・易い・疲れ易い・易者・易談など出し合って学びあいます。この時、易の反対語・関係語の学習を入れておくと、いいですよね。コメントを下さったHさんは、易の反対語「難」を出してきて、その漢字語「難易度」で話しましたね。難易度が、出てきて、A男氏は、納得しました。言葉を獲得するには、このように総合的に学習しておくと、応用力がつくのですね。漢字書きも大切ですが、その書きの力をフルに発揮するには、書きだけでは、不十分なのではないでしょうか。最後に、易を使って、文作りをし、発表です。聞き合い、検討をし合うのです。このようにしたら、易が、どのような漢字語(熟語)で、出て来ても、その意味、読み方は、ただしくできるのでは、ないでしょうか。これが、応用力・使えるようになることの基なのではないでしょうか。つけたしですがこの易の書き、これは、場の旁(ツクリ)と違う事をここでは、確認し合いますので、このプリントの左隅の★印のことにも触れます。このように、必要漢字は、丁寧にすべきなのですね。この易の指導、15分は、かかります。このような漢字学習は、子どもが、大好きです。嫌いなのは、機械的な漢字書きドリルです。教課審のまとめでは、このドリル・反復が強調されています。その上、教課審のまとめでは、常用漢字の読みを強調しています。こうなると、上の様な必要漢字の指導が、おろそかになりがちです。品川区では、この常用漢字の指導の先取りをしています。そこでからは、1字1字の指導が、おろそかになっているとの声が、聞こえてきます。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 本日の僕の見解まず、このエキヨウセイ・エキネンセイではないかと意見を寄せてくださった方に、感謝致します。おかげさまで、漢字教育の在り方に対して、意見を出し合い、考えあうことができたからです。授業でも、このように話し合いがあるものを僕は、目指してきました。話し合うと、深まって、良く分かってくるのですね。ぼくも、このこと、考えてきたので、漢字教育のあるべき姿が、さらに、整理できました。さて、僕の見解です。イヨウセイ・イネンセイと読むのだと思います。 ご意見を下さった方は、繊維のことから、言っていますが、これは、いわゆる業界の用語ですよね。こうなると、その業界の使われ方に従わなくてはなりません。そこで、僕は、この業界関係を調べて見ました。消防署・カーテンなどの関係の会社・ガス会社でした。結果は、どこもイネンセイ(イヨウセイ)と読んでいるということでした。* この易の使用頻度は、業界では、非常に高いですね。ネットの易燃性を調べると、その使われ方の実態が出てきます。また易溶性をどう読むのかという質問も出ていました。答えは、イヨウセイでしたが。このように重要な漢字は、駆使できるようにしておきたいですね。それが、義務教育のやるべきことですね。あと考えられることは、普通の人が慣習として使っているばあです。たとえば脱穀をザッコク、脱脂粉乳をザッシフンニュウと、かなりの人が言っているのを聞いたことがあります。これは、脱の意味がわからないので、発音しやすいザツになって、しまったのでしょうね。易溶性・易燃性の読みのことではこの慣習のことは、考えなくてもいいことですがね。後、直観で、エキヨウセイがいいのでは・・・・と、意見者は、言っていますが、このことは、その方がいいという方と、それではよくないという方たがいますよね。 漢字指導の在り方を考える まず、音読みと訓読みを、同時に指導し、しっかり指導することだと思います。そうすれば、その漢字の意味は、だいたいつかめます。易の場合は、下記の通りです。意味としては、 読み方やさしい・・・・・・・・安易 容易 簡易 難易 ・・・・・・・・・イ取り換える・・・・・貿易 交易・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・エキえき・・・・・・・・・・易者 易断・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・エキ上記のように読み方で、意味が分かってきます。今の指導要領では、これが徹底してないのです。そこで、まず、音訓を同時に指導すことを漢字指導法研究会は、20数年訴え続けてきました。 ご面倒でしょうが、下のマークの応援クリックして下さると、うれしいです。1日1っ回有効です。 下記の本は、漢字教育のあるべき姿と実践を載せています。上の意見を詳しく書いています。* こちらは、1字・1字の指導の練習帖です。1セット5過程に基づいた展開になっています。1~6年生まで揃っています。