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星の国から。ヴァン・ノアール

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2022.01.22
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 原田マハ著「楽園のカンヴァス」を読まなければ画家「アンリ・ルソー」に興味が持てなかったのと同じように「サマセット・モーム」の「月と6ペンス」を読まなければ「ポール・ゴーギャン(1843-1903)」の絵に今ほど興味が持てなかったと思います。


​​「奇跡の泉(夢想)」 1894年 
​​
 今思えば2011年にエルミタージュ美術館を訪問する前に「月と6ペンス」を読んでいたらと思います。当館でのタヒチ時代のゴーギャンのコレクションは15点(ゴッホは4点)と「ガイドブック」にありますが、全て見たのか記憶になく写真に残っているのは4点のみで、マティス、ゴッホやピカソの絵ほど足を止めてじっくり見ることはなかったと思います。

 「月と6ペンス」は作者のサマセット・モームも主人公の「ストリックランド」は「ゴーギャン」をモデルにしているが共通性は少ないと言っています。ただゴッホと同じように「反動分子の一匹狼」とも言われたゴーギャンの性格や言動を誇張した形で上手く反映させていると思っています。


「果物を持つ女」 1893年 

 小説の圧巻
ゴーギャンも「天国」と感じたストリックランドの終焉の地「タヒチ」でキリスト教を含め東洋や多神教のシンボルなどが具体的な生きたモデルとしてリズミカルに絡み合った奇抜な寄せ集めのような絵画の制作に集中していきますが、ハンセン病を患い失明してしまいます。それでも家の壁に絵を描き続け、彼の最後を看取った医師は壁に描かれた絵から「魂の揺さぶり」を感じます。しかし現地の妻アタはストリックランドから自分が死んだら全てを焼き尽くして欲しいと言われていたため、後の「天才画家」が描いた壁の絵は全て焼き尽くされるという壮絶な最後です。
 

 
 ストリックランドの死後偶然タヒチを訪れることになった小説の中の「私」はストリックランドと関わったタヒチの人達から話を聞くうちに次のような考えに至ります。

 『イギリスやフランスにいた時のストリックランドはさしずめ丸い穴に打ち込まれた四角い釘だった。だがここ(タヒチ)では穴に形がない。だから合わない釘はない。彼がこの島に来て多少なりとも優しくなったとは思えないし、利己的でなくなったとも言えない(中略)彼はこの地で祖国の人間には期待も望みもしなかったものを手に入れたのだーーつまり、理解を。現地の人たちは彼のことを変わった魚程度に思っていたようだが、現地には変わった魚はいくらでもいる』

  
「椅子の上のひまわり」1901年
   
​ 南フランスのアルルでゴーギャンと念願の共同生活を送るものの、ゴッホの耳切り事件の後、ゴーギャンとの仲は断絶してしまったのかと思っていましたが、2人の書簡が残されているようです。

 そしてゴーギャンの死の2年前にフランスから種を取り寄せて育てた「ひまわり」の絵をゴッホがゴーギャンのためにアルルで用意したのと同じような椅子に載せて描いたということに何だかホッとします。ロシアの鬼集家「セルゲイ・シチューキン」のコレクションの1点で、今はこの絵が好きな絵の1枚になっています。






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最終更新日  2022.05.04 12:32:01
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