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カテゴリ:広島東洋カープ
『今やプロ野球はメジャーリーグの登竜門であることを自覚すべき』
田澤ルールという言葉はご存知でしょうか? 以前、田澤がドラフト上位候補の一人として注目されてましたが、プロ野球を拒否してメジャーリーグ入りを決断したことによる報復措置です。 このルールの詳細はドラフト対象選手が日本プロ野球のドラフトを拒否して海外(主にメジャーですね)でプレーした場合、帰国後の数年間はプロ野球チームと契約できないとするものです。 これを制定すれば確かにドラフト候補選手の人材流出は避けられるかもしれません。 しかし、これを制定しても結局はポスティング、海外FA権によってメジャーリーグに移籍することは最早止められません。 今の野球選手にとっての最大目標はプロ野球ではなく、『メジャーリーグでの活躍』なのです。 そもそもプロ野球界はメジャー移籍を人材流出と捉えますが、こんなことは別に不思議なことではなく、他のスポーツ界でもレベルの高い選手がレベルの高い舞台に行ってプレーするのは至極当然のことであり、寧ろこれまでアメリカに行って挑戦しなかった野球界の方が不自然だったのです。 つまり、不自然だったものが一人のパイオニア(野茂英雄)によって自然に変わっただけのことです。 現に今年、日本ハムの田中賢介や西武の中島もメジャー挑戦を表明、日本ハムの斉藤佑樹も高校生の段階で「将来目標はメジャー」と公言していましたし、田中将大や前田健太らも将来的にはメジャー行きを選択するでしょう。 それは言い方は悪いですが、『メジャーに挑戦するための力を日本プロ野球で蓄えた』と言え、更に突っ込んだ言い方をすれば『日本プロ野球を踏み台にしてメジャーに行く』ようなものなのです。 しかし、それこそが日本プロ野球界に求められている役割ではないのかと感じます。 事実、あと一歩のところまで来るがメジャーの壁に跳ね返されて3Aとメジャーリーグを行き来していたルイスやボーグルソンも日本でプレーし、力を蓄えてメジャーの舞台へと戻り、共に先発ローテーションに定着し、特にボーグルソンは今年14勝をあげてバムガーナーやケーン、ジトらにも見劣りしない素晴らしい成績で世界一に輝きました。 彼らも活躍できた理由は日本プロ野球での経験が生きたとコメントしていました。 今の日本のプロ野球が生きる道は正にこれではないかと思います。 力のある選手を育成し、そしてメジャーという最高舞台に送り出すためのリーグ、これではメジャーリーグのファームではないかと言われるファンもおられるかと思いますが、現状でも十分メジャーリーグのファーム的立場には変わりないのです。 ならばしっかりと現状を見据え、そのような役割に徹するのもありではないかと思います。 そのためには田澤ルールのような力のある選手の日本出戻りを拒否するような鎖国政策などもってのほかです。 その役割を生かすためには外国人枠の廃止も考えるべきでしょう(何もせっかく連れてきたドミニカアカデミー選手を生かす機会がないからというわけではなく)。 日本人選手だけでなく、海外の選手らも引き入れることによってよりレベルの高さを維持し、そしてメジャーの舞台へと送り出せるはずです。 世界各国の力のある選手たちこそ獲得して再び送り出す役割を求めたいと思います。 人材流出はサッカーに限らず、どのスポーツ界でも当たり前な自然な流れです。 プロ野球界も自然な流れを食い止めるという無駄なことはせず、逆にその流れの手助けをしなければならない時期に来ているのではないでしょうか。 正直、今のプロ野球界がメジャーリーグと力を張り合ったところで、最近ではメジャーどころか3Aレベルにすら届いているかどうか怪しいと睨んでいます。 自分たちだけ良ければ良いという思いではなく、本当に世界に野球を発展させていきたいと考えているのならば。
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最終更新日
2012.12.11 13:32:52
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