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カテゴリ:広島東洋カープ
『福留孝介』
それではバーゲセンに続き、新戦力選手となるであろう福留の検証をしていきたいと思います。 福留の去就は現在不明ではあるものの、メジャーを断念したことや日本球界の阪神や横浜、中日が獲得に向けて競争しているだけにいずれかの球団に入団することは確実な情勢となってきています。 福留の契約金は現在阪神が提示しているであろう3年6億円の数字から察するにかなり年俸高騰することが予想されます。 そんな福留の現状の実力を検証していきたいと思います。 まず大きな利点は選球眼の良さ、3Aでは40四球/29三振と1.38という素晴らしい数字を記録していることにあります。 安定した成績を残すためには選球眼の良さが絶対であり、この高い数字はマートン以来の数字です。 しかし、打率を残すためにはそれに加えてミート力の高さが必須ですが、福留の場合はこのミート力が3.50とかなり低い数字にあることが問題です。 これが低いといくら選球眼が良くともバットに当てる技術が足らず、中々打率が上がってきません。 ちなみに阪神のマートンや今年解雇となりましたが西武のカーターはいずれもこの二つの数字が高く、それが高い打率を残す礎ともなっているのです(マートンは今年不振でしたが)。 ただし、これは打者がアベレージヒッターの場合であり、長打を打つのことを主眼とする選手は三振数が増加するのは当たり前であり、パワーヒッターならば一定のISOPがあれば高打率を残すことができます。 ソフトバンクのペーニャや広島のニック、エルドレッドらはミート力、選球眼共に低い数字でしたがISOPの圧倒的な高さによってカバーし、活躍に繋げました。 つまり選球眼の高い福留ならばISOPが高ければより一層の活躍できるということです。 そんな福留の3AでのISOPは.093・・・、.100にも満たないこの数字はこれまで扱ってきた選手の中でも最低の数字を叩き出しています。 残念ながら現状の福留には高打率を残すことは期待できず、.250~.280辺りを推移し、長打力も恐らく発揮されない可能性が非常に高くなってきています。 ただ、日本に帰ってきたら井口や松井稼のように長打力を発揮できるのでは?という方もおられるかと思いますが、最後にメジャーで一線を張った年の数字をご覧ください。 井口 GB/フライ、ライナー 0.76 松井 GB/フライ、ライナー 0.92 福留 GB/フライ、ライナー 1.10 通常、長打になる確率が高いのはゴロよりもフライ、ライナー性の打球であることはお分かりになられるかと思います。 現に井口や松井稼はメジャーに行き、かつてのスラッガーぶりこそ影を潜めたものの、それでも打球の質は日本時代のものをキープしてきていました(解雇された年は不振なのでゴロが多いですが)。 しかし、福留の場合は一線を張っていた年で既にゴロの方が多い打者になっているのです。 GB/FBならば1.00を越えるのは分かりますが、ライナーをも入れた上でのこの数字は完全に転がして打つ傾向が強くなっていると言わざるを得ず、日本に来ても長打を打てる可能性は低いのではないでしょうか。 それでは次に守備と走塁面です。 かつては福留のライトからの返球や走塁面も評価され、メジャーデビューした時期はイチローと松井を足した選手と論じられていました。 ところが今では年々衰えが激しくなっており、守備を評価するUZRは-5.6、-11.5とかなり悪く、かつての守備を期待するのは難しいかもしれません。 また、それに比例するように走力も悪化し、UBRは2009年ごろから常にマイナス、2011年には何と-4.6と大幅に悪い数字を記録しています。 このUBR、最高でも7点程しか稼げず、イチローですら4点前半が最高得点である中、何と福留はイチローの真逆の数字を記録しているのです。 横浜はともかく、中日や阪神は球場が広く、とてもじゃありませんがライトを任せられるレベルではありません。 結論として現状の福留にはかつて程の力は期待できそうになく、正直3年6億円も出すほどかどうかはかなり疑問符がつくところです。 メジャーリーグではどれだけ素晴らしい実績があったとしても力の衰えた選手の年俸はかなり安い額に収められますが、日本は完全に逆のようですね。 現状の福留がどこまでやれるのかはかなり疑問符がつくのですが・・・。 選手評価:C(常時スタメンでは物足りないかも)
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最終更新日
2012.12.16 13:49:32
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