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カテゴリ:広島東洋カープ
『床田寛樹』
今回は床田投手について見ていきたいと思います。 今季は序盤こそ先発ローテを務めるも交流戦頃~後半戦まで不振の為に登板機会がなく、再昇格してからは好投を続けました。 結果的には16試合に登板して5勝をあげて防御率3.19と昨季よりも良くなりましたが、肝心な時期に抜けていたという点は昨季と変わっていません。 まず奪三振率を見ていきますと、87.1回を投げて80奪三振で8.24を記録するなど先発投手として十二分な奪三振率を記録しています。 次に制球力ですが、26四死球で2.68とこちらも見事な与四死球率を記録しており、当然ながらK/BBは3.33と高い水準を記録しています。 続いて打球管理ですが、105GB:92FB:39LD:20IFFB:5HRとなっており、GBGが40.2%と低いですが、FB%が高いかと言われると44.8%なのでさほど高いわけでもなく、LD%が14.9%と非常に高くなっています。 その為か87.1回を投げて91被安打と非常に多くの安打を浴びています。 ただ球威面を見ると、被IsoPは.089と.100を切っており、安打は浴びるが長打や四球は出さずに三振を奪えることができるので、ピンチを作るながらも無得点か最少失点というパターンが多いのかなと思います。 そして球種面ですが、直球が36.5%、スライダーが22%、ツーシームが27%となっており、主にこの3つの球種で構成されており、時折カーブ(9%)やチェンジアップ(3%)、後半戦からは本当かどうか気になりますがパーム(3%)も投げるようになりました。 まず特徴として挙がるのが変化球の空振り率の高さ、スライダーが15.9%、ツーシームが18%と縦の変化球ではない軌道の変化球ということを考えると非常に高い空振り率を誇ります。 被打率もそれぞれ.212、.184と非常に優秀な数字となっており、昨季と比べると劇的に変化しています。 この理由としては球速の向上にありそうで、特にスライダーは140キロを越えてくるようになり、ツーシームは直球と遜色ない球速で投げるようになったことが大きいのではないでしょうか。 また、後半戦から投げ始めてパームも打者が面食らっていることも影響しているか、空振り率が15%を記録しており、3つの球種で空振りを奪えるのですから奪三振率が高いのも頷けます。 ただ課題としては直球が被打率.379と非常に高くなっています。 個人的には「もっと直球で押した方が良いのではないか」と書いてきたのですが、直球で押せない理由があったということになりますね。 最後に投球フォームですが、右足を踏み込んだ際にやや踵気味に体重がかかっているのか、右膝が少しだけ折れ気味で森下のようにピンと突っ張り切らず、引き上がった右足も本塁まで来ずにそのまま下りてしまっていることが多いように思います(ただ岡本の打席時はしっかりできていますね)。 その辺りが少々ベルト付近に集まりがちで直球も手元での勢いに欠ける原因かもしれません。 今季は後半戦から好調を維持して抜群の成績を残しましたが、本人も記事のインタビューでコメントしていましたが、最初から全力で投げることにしたとのことで、それでも案外長いイニングを投げることができたと語っています。 以前にも何度か書いてきましたが、床田はペース配分で力を抜き過ぎる傾向(東出コーチに指摘された肘の位置も関係しているのかも?)やボール先行気味になると明らかに置きに行く傾向があり、その結果安打を大量に打たれてピンチを招くといったことが前半戦非常に多かっただけに、この方針転換は個人的にも賛成しており、結果的にも良い方向に行ったと思います。 来季は最初からその投球を続けて欲しいところで、ペース配分や上手くカウントを整えるといった投球術が下手な投手ですから投球術よりもどちらかと言えば思い切り腕を振って投げるというタイプだと思うので、最初から全力で投げることを意識して投げれば自ずと結果は付いてくるのではないでしょうか。 現状の立ち位置は森下、大瀬良、九里に続く4番手投手で、まだ一度も規定投球回到達もないわけですからあまり気負わないようにしてもらいたいですね。 ただ本人曰く「全力で投げることで収穫も得たが、途中から疲れが見え始めて来た」と語っており、いずれはそういった部分を磨く必要も出てくるのだろうとは思います。 とりあえずは規定投球回到達を目標に先発ローテを1年間務めて欲しいところです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.12.25 01:13:32
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