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広島カープ考察

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2021.12.29
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カテゴリ:広島東洋カープ
『玉村昇悟』

 本日は玉村投手について見ていきたいと思います。
今季は高卒2年目ながら先発ローテーションに定着し、17試合に登板して4勝を記録して101回を投げるなど大きな経験を積みました。

 まず奪三振率ですが、101回を投げて67奪三振で5.97と低め、制球面は41四死球で与四死球率が3.65とまずまずの数字を記録しています。
ちなみに二軍では17回17奪三振と三振を奪えており、もう少し経験を積んでいけば三振を奪える投手になれる余地はあるかもしれません(四死球は4つのみ)。

 続いて打球管理ですが、119GB:119FB:31LD:35IFFB:13HRとなっており、FB%が52.7%とフライが多いのでFB投手と言えそうです。
球威面は被IsoPが.160と高い数字となっており、13被本塁打を浴びていることからも窺い知ることができます。
まだまだこれからの投手ですが、現状は三振を特別奪えるわけではない上に四死球もそれなりぐらいで球威に欠けるということで、FIPは防御率よりも悪い4.62となっています。
ただ広島の場合は内野手の守備範囲が狭めで、外野手の守備範囲が比較的広めなので恩恵を受けることができ、それが防御率に繋がったと言えるでしょうか。

 そして球種面ですが、直球が40%、スライダーが28%、シュートとチェンジアップがそれぞれ11%、残りがカーブとなっています。
球種の中ではスライダーやシュートが打たれにくくなっており、それぞれ被打率が.218、.182と好成績です。
ただ直球とチェンジアップが課題で、それぞれ.272、.340と高い被打率となっています。
チェンジアップは当初こそ優秀でしたが、疲れからか徐々に肘が下がっていき、あまり決まらなくなっていった印象で、9月23日の巨人戦ではチェンジアップで2被弾を許しています。

 最後に​投球フォーム​ですが、球の出所が見難い投手と言えそうで、ボールが頭の後ろに隠れており、そこから放たれています。
ただ左腕が背中から大きくはみ出すテイクバックをしており、こういったテイクバックをする投手としては元ヤクルトの伊藤智仁氏、元広島の河内氏、元西武の大石氏などルーズショルダーや肩痛などを引き起こしやすい動作なので気を付けたいところです。
後は踏み出した右足の爪先が真っすぐではなく右上向きで着地しているからか、離れていく左膝の向きが一塁側の方を向いています。
また、少々前に突っ込みがちのフォームとなっているでしょうか。
それでも足は大きく引き上がって右足もしっかりと踏ん張れており、軸となって左足が本塁の方へターンしてくるなどしっかりと下半身を使えているフォームと言えるのではないでしょうか。

 球の出所が見難い点や下半身もしっかりと力を伝えられている点などドラフト指名当時の触れ込み通り、実戦的なタイプで早くも頭角を現してきました。
ただ映像を見ても分かる通り、明らかに体がまだ華奢な印象を受け、101回を投げたのは確かに大きな経験ですが同時に出来上がっていない体で肉体的にも精神的にも負担のかかる一軍で投げ続けたというのは果たしてどうなのでしょうか?
個人的には起用するにしてもヤクルトの奥川や千葉ロッテの佐々木らのように体力強化しつつ中10日での登板にした方が良かったのではないかなと思います。
アドゥワや遠藤の例を見ていると非常に心配なところで、特に玉村は体が華奢であるだけでなくテイクバックの動作に危険な部分があるので尚更気になるところです。
ドラフト総決算号にて野球太郎から「まだ育成段階の投手を一軍で使って結果的に怪我させてしまっている。もう一度投手陣の運用を考え直してもらいたい」と苦言を呈されており、非常に的を射ていて広島ファンとしては耳の痛い言葉です(個人的も同感です)。
いくら1年目は体力強化に費やしているからとは言っても2年目にこのような使い方をするのでは意味がなく、その辺りをもう一度考え直す必要があるのではないでしょうか。

 とはいえ来季に期待したい先発左腕であることには変わりなく、このオフにしっかりと肩や肘などを休めつつ体を逞しくしてパワーアップを図りたいところです。
床田と違って実戦的なタイプなので球速球威を引き上げていけば自ずと結果は残せるタイプなのではないでしょうか(後は故障だけが心配です)。
来季も引き続き投球回数100回を目指していきたいところです。






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最終更新日  2021.12.30 01:06:07
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