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カテゴリ:広島東洋カープ
『新たな序章』
本日は野手についての総括、展望をしてみたいと思います。 まず大きな話題となったのは河田コーチのヘッドコーチ就任と新外国人打者クロンの獲得にあります。 かつて3連覇を支えた河田コーチが広島へと戻ってくると発表された時、広島ファンは大いに盛り上がりました。 しかし、個人的には河田コーチの就任会見の際の言葉を聞いて一抹の不安を覚えましたが、それがシーズンに突入して確信に変わり、やがて当時は期待を抱いていた広島ファンが非難の対象となるのにそう時間はかかりませんでした。 それは3連覇の幻影を追っていたという点、まず一番疑問符を感じたのは小園の二軍スタートにありました。 そもそも二軍で打率3割、最多安打を受賞、フェニックスリーグでも羽月よりも高い打率を残しながら何故か春季キャンプ二軍スタートとなり、それどころかオープン戦にすら呼ばず、最初から田中がレギュラーであると決めていて競争すらさせないなど異常だと思わざるを得ない処遇となりました。 個人的には春先に書いた通り、若手の台頭がシーズンのキーマンであるとしましたが、実態は3連覇メンバーの復活を掲げた船出となりました。 しかしながら3連覇の際に大木となっていた丸、新井、エルドレッド、バティスタといった面々は既にチームを去っており、後は言っては失礼な話ですが枝葉のメンバーしか残っておらず、更に年齢からくる衰えの見られる選手も見られ、全く機能しませんでした。 唯一奮闘していたのが菊池、1番打者として高打率をマークするなど春先のチームを牽引、最終的には.277で16本塁打、課題の出塁率も.333とまずまずの成績を残しました。 また、鈴木誠也に並ぶ大砲候補として期待されたクロンは早い時期から春季キャンプに参加していたものの全く対応できず、外のスライダーどころか甘く入って直球すらも仕留められず、後半戦は一度も一軍昇格することなく期待外れに終わり、既に終盤から元に戻りつつあって懸念された堂林は予想通り元に戻ってしまい、打率.190で何と1本も本塁打を打てずにシーズンを終えています。 そんな中で厳しい戦いを強いられている中でも中々二軍で活きの良い若手打者が奮闘しても昇格することなく、まだ外野挑戦したばかりの中村奨成を早い段階で一軍に引き上げ、その中村が結果を残すも守備の不安という事で殆どスタメン起用せず、それならば外野に挑戦したばかりの時期尚早の中村ではなく最初から二軍で好調な正隨を上げれば良かったのにそうせず、まるで「若手を引き上げましたよ」という事実だけが欲しいかのような人事がなされました。 その中で羽月は春季キャンプ当初から期待されており、早々と一軍昇格すると2番打者として奮闘しましたが、如何せんパワー不足な感は否めなかったものの外野手としても奮闘しました。 逆に妙に冷遇されていた小園は一度一軍に招集しながら一旦二軍に戻され、何故かすぐに呼び戻されて一軍昇格即スタメンという内部でのゴタゴタを感じさせる事件も勃発、ヘッドコーチの好き嫌いがはっきりとしているかのような人事に多くの広島ファンが怒りの声を上げることとなりました。 とはいえ、紆余曲折を経ながらもこの小園の昇格がその後のチームを激変させることとなりました。 一軍昇格してスタメンに名を連ねた小園はヒットを量産、一時期は3割を大きく上回る打率を記録するなど完全にレギュラーを手中にし、コロナによって大量の選手が抜けてしまった際に代わりとして一軍に緊急昇格した林が即スタメンでタイムリーヒット、左投手の際にも代打で出場してヒットを放ったことでスタメンに定着、こちらも一時期は打ち出の小槌の如く打ちまくり、レギュラーに定着しました。 また、會澤の離脱やクロンの不振によって出場機会の増えた坂倉が徐々に長打力を身に付け始め、後半戦は5番打者に定着して打率ランキング2位にランクインを果たしました。 また、他には宇草が交流戦でギャレットや田中将大から一発を放ち、後半戦に一軍再昇格した際には1番打者として定着し、ライトスタンドへ特大の本塁打を2本放つなど新たなリードオフマン候補として躍り出るなどシーズン当初の3連覇メンバーから後半戦はスタメンが様変わりし、一気に若返りに成功することとなりました。 これに触発されたのか、昨季から試合中にあまり宜しくない態度を取ることも多かった鈴木誠也も俄然やる気が出て来たのか、若手が中心となってきた7月以降は打棒が爆発して自己最多の38本塁打を放ち、最高出塁率も受賞し、来季はMLBへと羽ばたくこととなりました。 来季は鈴木誠也という大穴が抜ける為、今年のドラフトでは中村健人や末包といった右の強打者候補を獲得し、新外国人打者のマクブルームを獲得しましたが、できればもう一人新外国人打者が欲しい所でしょうか。 スタメンは上記の通り若手打者の台頭もあって一気に若返りに成功、特に坂倉は名実ともに広島の中軸打者として台頭、小園や宇草も後半戦は一発を放っており、技術的にもしっかりとしたところもあるので大いに期待できると思います。 それだけに世代交代が順調に進んで充実し始めたところでの鈴木誠也の流出は非常な痛手ではありますが、候補はいないわけではありません。 中村奨成や正隨、中村健人や末包といった選手らで切磋琢磨して皆で穴を埋められるように努めて欲しいところです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.12.31 22:22:21
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