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ドン・愚利公の連れづれ草

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Mar 22, 2010
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カテゴリ:読書
詩云、樂只君子、民之父母。民之所好好之、民之所惡惡之。此之謂民之父母。

詩云、節彼南山、維石巖巖。赫赫師尹、民具爾瞻。有國者不可以不慎。辟則爲天下戮矣。

詩云、殷之未喪師、克配上帝。儀監於殷、峻命不易。道得衆則得國、失衆則失國。


詩に云く、楽しき君子は民の父母。民の好む所はこれを好み、民の悪む所はこれを悪む。

これをこれ民の父母と謂う。

詩に云く、節たる彼の南山、惟れ石巌々(がんがん)たり。赫々(かくかく)たる師尹(しいん)、

民具(とも)ともに爾(なんじ)を瞻(み)ると。

国を有(たも)つ者はもって慎まざる可からず。辟すればすなわち天下の戮(りく)となる。

詩に云く、殷(いん)のいまだ師(もろもろ)を喪わざるとき、克(よ)く上帝に配す。

儀(よろ)しく殷に監(かんが)みるべし、峻命(しゅんめい)易(やす)からずと。

衆を得(う)れば則ち国を得(え)、衆を失えば則ち国を失うを道(い)う。



「詩経」小雅の南山雄台篇に、楽しき君子は民の父母とある。

民が好むところを好み、民が憎むところは憎む。これを民の父母というのである。

(このように民衆の気持ちを推し量って政治ができる為政者を民の父母というのである)

「詩経」小雅の節南山篇に、「切り立ち聳える彼の南山、巌がんとして頼もしい。

権勢盛んな政治家の尹(いん)氏よ、民は皆あなたをあがめている」とうたわれている。

国を治めるものは慎重でなければならない。

独断専行すれば国は乱れ、ついには国を滅ぼし身を滅ぼし天下に恥をさらすことになる。

さらに詩経の大雅文王の編には、「殷がまだ民衆の支持を失わなかった頃は、天の心に適っていた。

(しかし、殷も天に見放されて滅びてしまう)よろしく殷の滅亡を手本とすべきである。大いなる

天命を維持するのは容易なことではない」とある。

これは、民衆の支持を得れば国を得、失えば国を失う、くっきの道について述べたものである。


[愚利公感懐]

昨日の「龍馬伝」で松蔭の言葉として「草莽の崛起=民衆よ決起せよ」があった。

久坂玄瑞が武市半平太に宛て坂本龍馬に託した有名な書簡にもこの言葉が記されていた。

この言葉に龍馬が啓発されたのか、土佐の龍馬から日本の龍馬に飛躍する。

君子は「くっき=民衆を思いやる」し、幕末、草莽の志士は「崛起」したのである。

訓は同じでも意味は違うようであるが、相通じるものがある。(天命に殉じる)

四書五経に精通していた松蔭、「草莽の志士たちよ、汝ら天命を知り立ち上げれ」と檄を飛ばした。





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Last updated  Mar 30, 2010 06:31:05 PM
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