ロシア政商がテレビ局に勝訴 リトビネンコ氏暗殺事件で
ロンドン(CNN) ロシア連邦保安庁(FSB)の元幹部アレクサンドル・リトビネンコ氏が2006年にロンドンで毒殺された事件をめぐり、関与を報じられたロシアの政商ボリス・ベレゾフスキー氏がテレビ局を訴えた裁判の判決が英ロンドンの高等法院であった。
ベレゾフスキー氏の広報が10日、CNNに明らかにしたところでは、高等法院は同氏の訴えを認め、15万ポンド(約2000万円)の損害賠償を同氏に支払うよう、テレビ局に命じた。
この事件では、当時のプーチン・ロシア大統領を批判していたリトビネンコ氏が放射性物質のポロニウム210を大量に飲まされ、06年11月に病院で死亡した。リトビネンコ氏は生前、ベレゾフスキー氏の暗殺を指示されたことがあると述べていた。
ロシア国営放送局傘下の衛星チャンネルRTRは翌07年、ニュース番組でこの暗殺事件にベレゾフスキー氏がかかわったと報道。これに対してベレゾフスキー氏が名誉毀損で提訴していた。
ベレゾフスキー氏は高等法院で訴えが認められたことについて「RTRとロシア当局の狙いは、英国における私の亡命資格をなくさせ、リトビネンコ氏殺害の捜査の方向性をゆがめることにあった。裁判所がRTRの主張を全面的に退けたのは喜ばしい」と語った。
テレビ局側は判決を不服として欧州司法裁判所に提訴する構えを示している。
ベレゾフスキー氏はエリツィン大統領時代に多額の富を築き、政権内で強い影響力を持っていたが、プーチン政権になると傘下の企業に対する追及が強まり、2000年に英国に逃亡、03年に亡命が認められた。
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