「グラウンド・ゼロ」での就労経験者に心臓疾患の恐れ 調査
ニューヨーク(CNN) 米同時多発テロで倒壊したニューヨーク市内の世界貿易センター(WTC)の跡地「グラウンド・ゼロ」で就労した人々に心臓疾患を患う可能性があることが、13日に発表された調査結果で明らかになった。
調査はマウント・サイナイ医療センターのロリ・クロフト医師が中心になり、同時テロ直後にグラウンド・ゼロで任務に当たった警官1200人前後を対象に18カ月間にわたって実施した。その結果、心臓の左の心室機能に異常がある警官が全体の53%、右の心室機能に異常がある警官が59%にのぼり、80代の49%と比較して異常に高いことが判明。内視鏡検査で、肺や心臓に危険な傷がつく可能性があることも分かった。健康な人の心筋は血液が満たされると緩むが、調査対象者らの場合は心筋が硬いまま血液の流れを妨げており、将来的に心臓疾患につながる恐れがある。
グラウンド・ゼロでの就労経験者をめぐっては、ほこりやがれきを原因とする肺疾患の事例が多いことが以前から報告されていた。クロフト医師は今回の調査で、心血管疾患の可能性が初めて明らかになったとしている。
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