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カテゴリ:最近の報道
こんばんは。
今日は何やら職場が大騒ぎでありました。 「業界の偉い人」が大勢集まる定例会議があったのですが、いつもとは少々雰囲気が違います。 「何かあったのですか?」と事務の人に聞いてみると、テレビ朝日が核物質防護上やってはいけないとんでもないことをやってしまい、大変問題になっているとのことでした。 何かと言いますと、これであります。 テレビ朝日「報道ステーション」の放送内容に関する事実関係等について 本日の読売新聞夕刊にも、下記の記事が出ておりました。 >「無断撮影し放映」 >テレビ朝日に抗議 >日本原燃 > > テレビ朝日の報道番組「報道ステーション」が放送した青森県 >六ヶ所村の使用済み核燃料再処理工場に関する報道について、同 >工場を所有する日本原燃(本社・六ヶ所村)が「許可していない >場所を無断で撮影され、放送された」などとして、テレビ朝日に >文書で抗議していたことが17日わかった。 > 番組は11日夜に放映され、日本原燃によると、同社の敷地内で >撮影を禁止している場所の映像が流されたほか、多量の放射能が >放出されているかのような誤解を生じさせる表現があったという。 >抗議は14日付で行った。 > テレビ朝日広報部は「内容を子細に検討したうえで、できるだ >け早く回答したい」とコメントした。 私は報道ステーションなどというくだらないエンターテイメント番組(あれは報道番組じゃない)は全く見ない(いや、そもそも放送している時間にはまだ帰宅していない)のですが、本日、日本原燃さんのサイトに掲載されている抗議文を読んだところ、11日の放送が非常に偏った内容であったことが一目瞭然であります。 「脱原発」と言いながらドイツでは原発が今も動いていますし、ユニットごとに30数年分の発電電力量が保障されています。これは、燃料交換停止を考えると、「当初想定していた寿命であるの40年間は運転しても良い」というお墨付きを与えた、と言ふことになります。 確かに停止した原発もありますが、それを上回る電力をフランスから送電してもらっています。 ヨーロッパの風況は我国より非常に安定していますが、それでも風力発電の不安定さをカバーするために(最も単位発電電力量当たりのCO2排出量の高い)石炭火力を動かす必要があり、実際にドイツでは複数の石炭火力が風力のバックアップとして使用されています。 さらに、よりによってフィンランドを脱原発の例として挙げるとは、もはやテレビ朝日は気が狂っているとしか思えません。 ヨーロッパでチェルノブイリ事故以降初の原子力発電所、しかも最新型である「EPR」は、オルキルオト3号機としてフィンランドに建設されています。(ちなみにこの「EPR」、元々はフランスの企業とドイツの企業による共同開発。さらに、フィンランドへの建設にはドイツの電力会社も出資しています。) 高レベル放射性廃棄物の処分場計画が最も進んでいるのもこのフィンランドです。オルキルオト発電所のすぐ近くに処分場が建設されることが正式に決まっており、調査が行われています。 しかし、読売夕刊の見出しにもなっているように、テレビ朝日の最も大きな問題は「勝手に写して放送した」ことかも知れません。 核物質を扱う施設では、防護上、勝手に撮影してはいけないことになっており、私が以前働いていた発電所でも、「撮影してよいポイント」が決められておりました。 六ヶ所村の再処理工場では「どの建物でどんな工程が行われているのか」が外部からは解らない様に苦労しているとのことですが、それでも日本原燃さんは、国から「核物質防護に係わる設備の情報を出し過ぎだ!」と怒られたことがあるそうです。 ウィニーで原子力関連情報が流出した際にはどんな些細な情報であっても大騒ぎするのに、テロ対策上非常に重要な防護管理に係わる情報をテレビで放送するとは、テレビ朝日は一体どのような感覚をしているのでありましょうか? 「報道の自由」の名の下に、我国の国益・安全保障に関する情報をさらすとは・・・・一体、テレビ朝日はどこの国の報道機関なのでしょうか? この問題、日本原燃からの抗議に留まらず、情報管理のあり方についてさらに波紋を呼ぶことになるのかも知れません。考え過ぎかも知れませんが。(電事連とか産業界とか学会とかひょっとすると国とか・・・?) ちなみに、私も個人で抗議しようかと考え初めているところ。 朝日系列のマスコミが偏向しているのはいつものことなので仕方ありませんが、核物質防護上表に出すべきではない情報を映像の形で勝手に撮影して放送するのは、著しく国益を損ねる行為だと思いますし、これではマスコミとの信頼関係を築くことなど出来ません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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