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チラシの裏の幻視録

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2010年07月09日
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カテゴリ:最近の報道
おはやうございます。

 読売新聞にこんな記事。

 ビタミンK不投与で乳児死亡…母親が助産師提訴
 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100709-OYT1T00173.htm


> 助産師が所属する団体は「自らの力で治癒に導く自然療法」をうたい、錠剤について
>「植物や鉱物などを希釈した液体を小さな砂糖の玉にしみこませたもの。適合すれば自
>然治癒力が揺り動かされ、体が良い方向へと向かう」と説明している。
 


 これは所謂「ホメオパシー」と言ふトンデモ似非医療の一つであります。

 様々な薬品や毒物を極限まで水で薄め、それを砂糖に滲み込ませて「レメディ」と呼ばれる偽薬をつくり、患者に投与するもので、特徴は「水で薄めれば薄めるほど効果がある」と言ふ点。
 もとの物質の分子がひとつも残っていないやうな、つまりは「ただの水」が最も効果がある、と言ふのですから、普通に義務教育をこなした人であれば「こんなのは嘘である」と直ぐに気付くはずのもの。
 良くてもプラシーボ効果くらいしかないはずで、今は主に途上国の貧困層の代替医療として使われています。


 この事件では、助産師が母親に黙って子供にビタミンKの変わりにこの只の砂糖を与え、その後も「錠剤を与える」とだけ伝えてこれを続けたもの。

 結果として子供はビタミンK欠乏症で死亡してしまいました。

 レメディが直接の原因ではない(ただの砂糖なのだから当たり前だ)のを良いことに、某ホメオパシー団体は「両親のミネラル不足やマヤズム的問題、医原病が胎児に受け継ぐ事などもある」などとして、子供が亡くなったのはその親や現代医療に原因がある、とまで言い切っています。

 これ、酷すぎますよね。


 ところで、民主党には、このインチキ医学の研究に金を出そうと発言しているN厚生労働大臣や、保険適用対象にしよう、などと目論んでいるS議員がいます。

 世も末ですよ、こりゃ。


参考
Skepticism is beautiful 「ビタミンK欠乏症問題」
 http://d.hatena.ne.jp/lets_skeptic/20100709/p1


Not so open-minded that our brains drop out. 「ホメオパシー助産師が提訴された件について」
 http://d.hatena.ne.jp/Mochimasa/20100709/1278678386


ホメオパシー - Wikipedia ←早速更新されています。
 http://ja.wikipedia.org/wiki/ホメオパシー





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最終更新日  2010年07月10日 04時13分23秒
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