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チラシの裏の幻視録

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カテゴリ:最近の報道
 先日、寮でとっている朝日新聞を見て驚きました。

 日本学術会議がホメオパシーを「荒唐無稽」として一刀両断したニュースがトップ記事となっていたのであります。
 いつもは朝日新聞を批判することの多い私ですが、この件に関しては全面的に応援しています。(なお、一面ではありませんが、週末には読売でも取り上げられました。)



 以前にも触れましたが、ホメオパシーは信者の間では「代替医療」などと呼ばれていますが、「医療」と名を付けるべきではない、只のトンデモです。


 人体に病気と類似した症状を与える物質を選び、それを水等の溶媒に溶かし込んだ上で、確率的に元の物質の分子が一つも残らない位まで希釈します。(いろいろな流派があり、「機械でやってはならない」と主張する流派もあるやうです。)

 この「単なる水」を砂糖の粒に垂らすと、彼女らが「レメディ」と呼ぶ物体の出来上がり。
 分子が一つも含まれていない訳ですから、どの「レメディ」も全く同じ「只の砂糖」なのですが、彼女らはこれをいろいろと組み合わせて(砂糖にしては)高い値段で信者の皆さんに売りつけています。

 元になる物質の多くはハーブなどの植物や動物の一部、花崗岩などの鉱物、そして水銀のような毒物と様々ですが、中には「ベルリンの壁」「原爆で生き残った柿の木」なんて妙なものまで。
 症状によってこれらを単一で、あるいは複数組み合わせて使用するのですが、この選択基準もたいへん妙なものです。

 例えば、「放射能に効く砂糖玉」(えっ?)のレシピには、キノコを材料に使った(最終的には1分子も含まれないので、「使っていない」のですが)砂糖玉も使われます。
 普通の人は「なんで放射能にキノコが?」と思いますが、その理由たるや「原爆のキノコ雲に似ているから」なのだとか。
 また、キノコは男性器の象徴として、そちら方面の砂糖玉レシピにも使われるようです。

 いやもう、こんなののどこが「医療」なのかと驚きます。



 しかし、笑ってばかりもいられません。

 ホメオパシーの「同じ症状を与えるものを薬として使う」という考え方が、治療に用いられることがあります。

 あるホメオパシー関連団体のウェブサイトに、信者さんから、「子供が花火で火傷をしてしまいました。どうしたら良いでしょう。」との質問が寄せられました。
 火傷は炎症による悪化を抑えるために水などで冷やすのが基本であり常識なのですが、この信者さんはこれに頼らずに砂糖玉に頼ろうとしたのでしょうか。
 この時点でこのお母さんもかなり困った方だと思うのですが、この質問に対するホメオパス(まあ、指導者ですね)の回答がまたイカレています。

 「火傷は水で冷やさずに蒸気をあてなさい。」

 これはいくらなんでも「ありえない」処置ですよ。



 また、さらに恐ろしいことに、単なる砂糖玉を使用することで、本来受けるべき医者による診断や投薬から遠ざかり、症状が悪化するケースが医者のブログ等でも紹介されています。

 新生児に対してビタミンK2シロップを与えずに砂糖玉を与えて死なせた助産師の話は既に大きく報道されていますが、この他にも、行うべき治療を行わずに砂糖玉に頼った結果、症状が悪化したケースがブログ等で複数見受けられます。

 自分で勝手に苦しむ分には構わないと思うのですが、中には、母親が喘息やアレルギーの息子に対して医者が処方した薬を与えるのを拒否し、代わりに砂糖玉を与えてしまい、結果として子供が苦しみ続けることになっているケースもあります。
 薬で簡単に直すことが難しい病気であっても、薬によって苦痛を軽減しQOLを上げてあげることはできます。親が「ホメオパシーの実現」という目的化された手段の達成、つまり自己満足のために子供を苦しませているわけですから、もはや親としての資格はないものと思います。


 朝日や読売によるホメオパシー批判記事はこの手の人たちにこそ読んで頂きたいものなのですが、残念ながら信者にはこの切なる思いは届きません。

 朝日新聞の記事に対し、信者からは「医療業界から金を貰っているに違いない」と、陰謀論と結びつける声も出ているようです。

 また、ホメオパシー団体の一つは、「荒唐無稽」とした科学者集団である学術協会を「非科学的だ」と逆批判しています。

 「科学」を「非科学的」と批判する、ということは、一般的に我々が使う「科学」と、ホメオパ信者たちが使う「科学」とは、言葉は同じであっても意味するものは全く違うのでしょう。

 いっそ、「これは一般に言う「科学」ではありません。希釈することでホメオパ神の波動を増幅し、ホメオパ神の肉体である砂糖玉に滲み込ませて体に取り込むことで神と一体化する「ホメオパ科学」です。学会員にしか効き目はありません。」とか言い切ってくれれば良いのに。

 信じるものは救われる。





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最終更新日  2010年09月12日 13時02分57秒
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