本件について毎日新聞によると、東北を代表
する劇団「わらび座」(秋田県仙北市)が、
「シニアミュージカル」の普及を後押しして
いる。メンバー同士や会場の感動を広げるこ
とで高齢者の認知機能を向上させ、社会との
つながりが少なくなる「社会的フレイル(虚弱)」
を予防するのが目的で、秋田大や仙北市、横手市
も協力する。秋田発の演劇文化は新たな発展につ
ながるのか。
わらび座は、従来のプロの団員にとどまらず、
地元のシニア層を中心にミュージカルの楽しさ
を知ってもらおうと、2020年度から公益財団法
人・伊徳地域振興財団(大館市)の助成事業に応
募し、地元の高齢者らに参加を呼びかけた。
参加者からは「年齢を重ねるとだんだん喜怒哀楽
の幅が狭くなる。歌ったり踊ったり、自分の感情表
現が普段はなかなかしづらいので、やってみると自
分を再発見できる」と評判だ。
![](https://image.space.rakuten.co.jp/d/strg/ctrl/9/2a5aa1b153a563713f6b74b9e86a2a3c1232f509.26.9.9.3.jpeg)
また、本件について秋田魁新報によると、なお、
わらび座が提唱して結成された高齢者でつくる
「劇団ひこばえ」のミュージカル発表会が3月
10日に、秋田県仙北市の劇団わらび座の稽古
場で開かれ、出演者15人が稽古で磨いた歌や
踊りを披露した、とのこと。これは、わらび座
と秋田大学高齢者医療先端研究センターによる
研究の一環で、ミュージカルが認知機能にもた
らす効果を調査するものでもある。
「劇団ひこばえ」は、今回が2期目。秋田、
大仙、仙北の3市から65~81歳の男女15人
が参加し、昨年10月から月2回の稽古を半年間
続けてきた。研究は伊徳地域振興財団(大館市)
の助成事業として2021年から行われている。
1期目は22年9月に発表会を開催し、認知症を
専門とする秋田大学大学院医学系研究科保健学専
攻の小玉鮎人講師(41)らがミュージカルの体
験前後で出演者の歩行速度や握力、記憶力、注意
機能、情報処理速度にどのような変化が生じたの
かを調べた。
その結果、特に歩行速度や記憶力、情報処理速度
に改善が見られ、従来の認知症予防活動と同様に
ミュージカルが有益な予防活動であることが分かっ
た。さらに、稽古を通して他人とのコミュニケーシ
ョンが活発になることで、社会とのつながりが減っ
て孤立する「社会的フレイル」の予防にも効果的と
確認された。
昨年8月、こうした研究成果をまとめた論文が
アメリカの老年医学の雑誌に掲載された。
![](https://image.space.rakuten.co.jp/d/strg/ctrl/9/478ad788fe315db2e615aa9c5e50932e8331464d.26.9.9.3.jpeg)
ミュージカルの稽古を通じて他人とのコミュニケー
ションが活発になることで、社会的フレイルの予防
にも効果的であることが確認されました。ミュージ
カルに参加することで、出演者は他のメンバーと協
力し、役割を演じることでコミュニケーション能力
を向上させることができます。これにより、社会的
フレイルのリスクを減らすことができるという結果
が得られた。
わらび座の取り組みは、地域の演劇文化の振興にお
いて重要な役割を果たしています。高齢者の健康や
社会参加を促進するだけでなく、シニアミュージカル
を通じて地域社会に新たな文化交流の場を提供してい
ます。秋田大学や地元自治体との協力により、わらび
座の活動は地域に根付き、地域の文化活動として定着
することになるかもしれません。 さらに、わらび座の
成功事例が他の地域にも波及すれば、全国的なシニア
ミュージカルの普及につながる可能性があります。
秋田発の演劇文化が新たな展開を見せることで、
地域の活性化や文化交流の促進につながる可能性が
あります。
![](https://image.space.rakuten.co.jp/d/strg/ctrl/9/25c450156cff821f43d5402542968d7e5b9fcc80.26.9.9.3.jpeg)