亜人 #07
そして必ず隠蔽する
★前のお話は→
第1話~第6話 あらすじまとめ
圭が川に飛び込む映像が映し出される。帰ろう、サンプルが逃げたとオグラ博士。帽子のほうはどうなっているんだと戸崎が下村に聞くと、どの監視カメラにも見当たりません、永井圭奪取が目的ならすでに立ち去ったのではと答えた。
戸崎に大臣から電話が入る。社長たちが怒っている。お前の担当も考え直さなければならん。いや、それだけでは済まされんな、覚悟しておけと厚生労働大臣は言った。
駐車場で待ち合わせした田中のところに、待たせたねと佐藤が車椅子を持ってやってきた。遅いっすよと田中が言うと、永井君がおもしろい感じに動くから遊んじゃったよ。怒ったふりもしてみるもんだね。そして、いろいろやったけど、ここからが本題だよと告げた。
トイレで顔を洗いながら大臣の言葉を思い出す戸崎。ふざけるな、何のためにここまでやってきたと思っている。何のために。
戸崎を呼びつけた大臣は、有能で口が堅いんだってなと言った。亜人管理委員会の担当に空きができてねと大臣。そして、戸崎くん、金は好きかと聞いた。
施設を案内される戸崎。担当が持っている銃を本物なのかと聞くと、ああ、金さえあれば大抵のことはどうにでもなると言い、亜人の研究管理が目的の組織がどう金とつながるんだと疑問を持つ戸崎に、すぐにわかるさと実験の様子の映像を見せた。
即死する亜人の映像。行われているのは軍事兵器の性能テストだと聞き、亜人を貸し出しているのかと戸崎が聞くと、さすが出世頭は察しがいいなと言われた。日本の名だたる企業が我々と裏で契約している。某製薬会社は亜人で臨床実験を繰り返し、製造した新薬で莫大な利益を上げた。
他にも亜人の使い道はいくらでもあると聞き、経済動物かと戸崎が言うと、お前さんも上手く立ち回ればでかい金がつかめると言われた。
でかい金か。
このままでは最悪処分される。逃げるかと考えた戸崎だが、どんな時にもチャンスはあると思い直した。廊下の壁に線が引かれていることに気づいた。部屋に入ると研究員がひとり死亡していた。戸崎はそこにあった銃(圭が捨てていった佐藤のライフル)を手に取った。
田中にも着替えをさせ車椅子に乗せた佐藤は、君は寝たふりをしていればいいと言った。戦略というのは状況に合わせて最も適したと話した佐藤は、何かハンニバルみたくなってきたなと言った。
私がハンニバルだとすると君は(佐藤) クラリスっすか(田中) いやマードックだな顔的に(佐藤) それじゃあ、ひとつ始めますか。作戦は奇を以ってよしとすべしだ(佐藤)
★田中が勘違いしているみたいだから説明しとくとw
ハンニバルは特攻野郎Aチームのリーダーで、変装と奇襲戦法が得意。作戦は奇を以てよしとすべしが口癖。マードックはチームの一員のパイロット。通称クレイジーモンキー。ちなみにクラリスは怖い映画のハンニバルでジュリアン・ムーアが演じていたFBI捜査官の名前www
タバコが切れたので車に戻るというオグラ博士は危険だと言われたが、廃版の銘柄だから車にストックしてあるのしかと言った。そこに銃を構えた戸崎が現れ、動くな、跪け、両手は頭の後ろだと言った。博士のボディーガードが力関係がわかっているのか。我々を敵にまわせばお前もお前の上司もただですすまんぞと言い、胸ポケットに手をやった。戸崎は男を撃ち言った。動くなと言ったはずだ。
オグラ博士は、まさか情報を出し惜しみしたことを怒っているのか。構わんよ、この世に未練はない。最後に1本吸えればなと言った。
研究所の入り口にはマスコミが集まっていたが、動きがなくなり静かになった。入口の警備員は中と連絡がつかないので支持があるまで待つしかと言う。中から門にに車椅子を押した男が近づいてきた。(佐藤の独演会が始まる)
車椅子に乗せられているのは国内2例目の亜人の田中だと気づいたマスコミは警備員の静止を聞かずに中に入り近づく。重要だったのはタイミング。永井圭捕獲とオグライクヤ来日。多くのマスコミが一か所に集まる今日というタイミング。
今日は一般の方々に知ってほしいことがあってここに来ました。ふたつだけ(と指は3本だけどw)話を聞いてくださいと佐藤は静かな口調で言った。そして私の名前は佐藤と名乗り、亜人ですと言った。ふたつの話をする。
ひとつめは、いいかげんな情報に流されないでほしいということ。2000年代前半にここにいる田中功次氏に関するニュースが世間を騒がせましたと佐藤は言った。
田中が青い顔で家に帰り、どうしたと聞く父親に俺、亜人だったと告げる。何かの間違いではと母。父は凄いじゃないか亜人だったらどうするんだと言ったが、すでに家の前にはマスコミが集まっていた。父は息子を連れて逃げる。国内2例目の亜人の田中が行方をくらませて3日。テレビ番組が田中に賞金を出すと報道した。
報道は過熱し賞金を出す番組も出た。それは今回の永井圭の事件も同様。まるでイベント事のように扱われそれを煽るような報道が多く見られた。その先に何が待ち構えているのかも知らずにと佐藤が言うと、知ってますよとマスコミ。政府が保護しその管理下で暮らすことが問題なんですかと佐藤に言った。政府がそう正式発表していることは知っていますが、それは嘘ですと佐藤。
ふたつめは、政府は亜人で非人道的な人体実験を行っているということ。証拠はありウェブ上に亜人研究員の自宅PCから入手した極秘データをすでにアップロードしましたと佐藤。亜人で検索をかけるとYoutubeに動画がアップされていた。佐藤は続けた。
こんなことが許されるはずがない。そうでしょう、皆さん。共に声を上げてください。2日後に私は抗議活動を行います。場所は厚生労働省前。
一緒に戦ってください。自分自身が亜人だったときのために。そして、ひとりひとりの幸せのために。
建物の屋上付近で爆発が起きた。そして佐藤も田中も消えていた。
2日後。テレビでは、佐藤と名乗った男の発言はまったくの事実無根であると報道された。また多くの警備員や研究員、来日したオグライクヤ氏の死亡も確認されたと伝えられた。下村が戸崎に今日ですね、省前は大変なことになりますよ、私はどうなるんでしょうと聞くと、何も変わらんよと戸崎は言った。
あんなことで人間は動かない。それは多くの歴史が証明している。自分の身に火の粉がかからない限りどこまでも無関心でいられる。それが我々の本質だ。そもそもウェブ上には実験動画のフェイクが山ほどあり、本物とフェイクを見分けられるものなどいない。日本の亜人事情は大きく覆ると言っていたが、
何が大きく覆るだ。逃げたやつら全員見つけ出してやる。
そして必ず隠蔽する。
厚生労働省前には、ほとんど人が集まっていないように見えた。が、人間には見えないが多くのIBMが集まっていた。
佐藤は田中に、この作戦は人間を集めるためのものじゃないと言った。亜人であれば、あの動画が本物だと見抜くだろう。ポイントは再生の仕方。偽物とは出来が違う。そしてダメ押しが永井君と我々が逃げる様子を放送させたこと。捕まっても逃げられた実例は亜人に安心感を与え名乗り出やすくする。そして私は信頼される。
ようやくスタートポイントだ。国を変えるぞ、田中くん。
★と言いながら佐藤はゲームをしていた。『スペランカー』だねw 何気にクリアしてるしwww
あんたの作戦通りだぜ、佐藤さん。集まったIBMに田中のIBMが、よく来てくれたね、これから本当の集合場所を伝えると言った。明日の午後2時にそこに来てほしい。
戸崎に連れてこられた場所に戸惑う下村。部屋を開けるとオグラ博士がいて、FKはもってきたんだろうなと言った。これはさすがにマズイのではと下村が言うと、問題ない。ボディーガードを撃ったのは帽子の銃だ。私が怪しまれることはないと言った。
★オグライクヤはマイルドセブンFKが好きなのね。私も昔すってたよ、って関係ないか。
歯の治療痕のカルテを改ざんして、原型がわからないほど八つ裂きにされた研究員の死体と入れ替わってもらった。しかし、と言う下村に戸崎は言った。あの日、私は再確認したんだ。どれだけ人を不幸にしようと目的を達成すると。
すべて出してもらうぞ、あんたが握っているものをと戸崎。FK持ってきたらなとオグラ博士。論文同様ふざけた男だ。日本の研究員がああ言うのもわかる。あっちの国で受け入れられたのが不思議でならないと言う戸崎に、天才なんだよと言った。
大学病院で。少年が戸崎にあの人どうしたのと聞いた。事故で目が覚めないんだと答えると、かわいそうと少年。戸崎は話した。
そうだ、かわいそうな人だった。どんな時にもやりなおすチャンスはあるはず。それがあの人の口癖だった。でもこうなってしまった。親の残した借金を背負って生きて健康保険に入る余裕もなかった。彼女を治すにはお金がたくさん必要ってことだよ。お兄さんのお友達かと聞かれて婚約者だと戸崎。治るといいねと言う少年に彼女だけは幸せにしてみせると言った。
世界中の誰を地獄に落としても。
島に流れ着いた圭。痛いのは慣れてきたけど溺れるのは苦しいな。岸壁を登って上に着いた。やっぱ人助けなんてするもんじゃないな。
集合場所に集まる亜人たち。佐藤のIBMが出てきて、これで全員かな、上がってきてくれと言った。
☆次回 衝戟に備えろ
【感想】
映画は観ていないけど、第6話までが劇場版の第1部の内容だそうですね。7話からはその続き。いよいよ本題に入ったという感じかな。
佐藤さんの演技は凄かったね。圭を怒っていたのもフリだったの? 声優さんの演技の素晴らしさもあって、すっかり主人公を忘れるところだったわ。
それにしても亜人の扱いは酷いな。まったく人間扱いはしていないね。田中は悪そうな感じに見えるけど、家族も含めて普通に人が良さそうな感じの人だったね。
戸崎がお金が必要な理由はわかったけど、親の借金で云々って何か安っぽい設定の気も。ま、別にいいけど。
ほんのちょっとだけ出てきましたね主人公。生きていて良かった。って死なないんだっけ。
やはり亜人はけっこういたんだね。集まったのが全員でもないだろうし、全員が黒い幽霊を使えるわけでもないよね。さて亜人を集めて惨忍な佐藤が何をしようとしているのか、恐ろしいけど次も楽しみです。
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