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縄文人☆たがめ☆の格安、弾丸?海外旅行

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2017.06.10
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夏目友人帳 陸 第9話 「ながれゆくは」



                    

☆前のお話は → 6期 1~8話あらすじまとめ

★5期はこちら →「夏目友人帳 伍

      

西村:「今年の勉強会は山か。海がよかったな~」
北本:「勉強させられるんだ、どっちでもいいだろ」
西村:「よくない。その合間にこそ青春があるんじゃないか...」

希望者を募って、学校恒例2泊3日の勉強合宿。勉強メインとはいえ、こうして掃除の時間は館内だけではなく山や川べりを清掃するなど、わりとのんびり楽しい合宿だ。

   

適当に班分けされて夏目たちは川向うの小さな社の掃除を任された。何を祀ってあるか聞いたことがあるぞと西村。中を覗いてみろよと言った。

田沼:「夏目は大丈夫か?」
夏目:「ああ。ちゃんと手入れしてあるし、田沼も特に感じないだろう?」

   

夏目:「失礼しま~す」

   

西村:「お面がかけてあるだろう。ここ、四つ面塚っていうらしいぜ」
田沼:「四つ面塚? 3つしかないのに?」

夏目:『みんなは3つしか見えてないのか。ならば、ひとつは妖怪だろうか』

   

西村:「兄貴たちの話だから、どこまで信じていいかわかんないけど、山神様が昔この辺に住んでたんだって。それが山の上の方に引っ込んでしまったから、お付きの者4人がここに残って山と山神様を守っていた。ってのが由来らしいぜ」

   

悪いものじゃなさそうだけど、やっぱりお面ってちょっと不気味だなと北本。

『確かに少し不気味だけど、山神様を守る妖なら、こちらが触れたりしなければ大丈夫だろう』

   

夕方から降り出した雨は夜には激しくなり川が溢れていた。

      

ここは大丈夫でしょうねと聞くと野宮先生は、新館は高台にあるから、いざとなったらそっちにへと言った。

   

翌朝。昨日の雨が噓のように晴れた。水は引いたが川にはあまり近づかないようにと野宮先生。

朝自習開始。夏目が窓の外を見ると、

   

ニャンコ先生!! ちょっとトイレと言って夏目は外に。

   

夏目:「なにしに来たんだ。どうやってここへ?」
先生:「もちろん、お前のバッグに忍んで来た」
夏目:「どうりで何か重いと思った」
先生:「このあたりで酒が湧く泉があると聞いて探しているのだが大雨で見当たらん。お前も手伝え」
夏目:「俺は勉強で来てるんだ」

   

夏目:「絶対に見つかるなよ先生。合宿に飼い猫つれて来ちゃうなんて痛すぎて恥ずかしいだろ」
先生:「も~いまさら。お前はすぐそういう小さいこと...ん?」

   

小舟には川に頭を浸したままの女の人が...

   

先生:「アホ、見るな」
夏目:『あの女の人は水面に顔を突っ込んだまま小舟でゆっくりと下って行った。たぶん人ではないだろう...』

   

西村:「あ、いた。夏目」
北本:「トイレにしちゃ長いから捜しに来てみりゃサボりか」
西村:「あれ、夏目、その猫...」
先生: (めんどくさいやつめ。特別だぞ)
北本:「あれ、猫じゃない。もしかしてウリ坊?」
夏目:「そうなんだよ、ウリ坊なんだ...えっ? ウリ坊?」

   

(自習をサボっているところを野宮先生に見つかって3人は叱られた)

   

田沼:「ニャンコ先生、ウリ坊バージョンなんて、多軌におしえてやらなきゃな」
夏目:「やめてくれ。なんか、めんどくさいことになりそうだ」

夏目:『それにしても、さっきの小舟。ただ川の流れに乗って行ってしまったようだし、気にしなくていいよな...』

   

テキスト終わったかと野宮先生。はいと夏目が見ると先生の顔に面が。驚いて立ち上がったが田沼には見えていなかった。

夏目:『この面、確か四つ面塚にあった中のひとつだ』

夏目は野宮先生に頭が痛いとか体が重いとか、具合が悪かったりしませんかと聞いたが、先生は、いや特にはと答えた。西村たちも面が見えていないようだ。

夏目:『やっぱり、あの面が見えるのは俺だけか』

   

先生:「田沼の小僧もなんともないなら小物だろう。ほっとけ」
夏目:「でも、目的もなく人にくっ付くか? 少し不気味だ」
先生:「くっ付くのは不気味だが操る力もない小物など、いないも同然だろうが」

   

先生:「ま、いいだろう。そんなに心配ならその面とやらを見てやろう」
夏目:「ありがとう。先生にしちゃ、やけに親切だな」
先生:「思った以上に暇だからな」

   

野宮先生を捜して歩いていると水の音がした。

夏目:『なんだろう、この感じ。何か川みたいな音がする...あれが流れて行った川の音がする』

廊下に水が流れ込んできた。昨日の雨のせいか。それにしても何で今になって。先生方に知らせないと。

   

田沼が来たので、雨漏りか川の増水かなと言うと、えっ、どこ? と田沼。何か見えているのかと聞かれて夏目は、川が少しずつ近づいてきていると言った。

   

夏目:『これは怖いものなのか。大丈夫なものなのか...ああ、そうだ。この感覚。わからないことが怖いんだ』

先生:「夏目はこの水、川にはあまり近づかないほうがいいだろう。見えなければ飲まれないが見えれば流れに飲み込まれるかもしれん。流れとはそういうもんだ」

   

田沼:「だったら、先生も流されちゃうかもしれないじゃないか。ほら、夏目も早くここを離れるぞ」

   

教室に戻ろうと歩き出すと他の生徒にぶつかった。夏目が謝ると、いや、こっちこそと振り向いた顔には面が。

   

『いったい何のつもりだ、あの面は...って、いるし。あの水や小舟の女の人と何か関係があるんだろうか』

   

北本:「夏目、大丈夫か? 顔色悪いぞ」

   

「ありがとう。大丈夫だよ」

『こんなふうに心配して見ていてくれる存在があるんだ。俺には異変が見えている。おかしなことに巻き込まれないよう、しっかり見ていなければ』

   

あの面はなぜ移り動いているのだろう。四つ面塚にいたはずだ。それがなぜ? 夏目が考えながら歩いていると、前を歩いていた西村が晩飯何だろうなと振り向いた。その顔には面があった。

夏目:「おい、離れろ。俺の友人に何かしたら許さないからな」
西村:「夏目...どうした?」
 面:『申しわけ...ありません...』

   

面が消えた。また誰かに移ったか? さっきより川が押し寄せて来ている。走り出す夏目。どこに行くとニャンコ先生。

「四つ面塚。あの面どうも悪いことをしてるようではないんだ」

   

四つ面塚に行くと男の人がいた。近くで神主をしていてこの社の管理も任されている人で、昨日の雨が心配で見に来たのだった。

夏目:「異常ありませんか」
神主:「ん? ああ、面が3つしかないからかい。おかしな名前だよなあ。でも何だか私は好きなんだよ」

面について、たとえばなぜ3つしかないのかとか知ってますかと聞くと神主は話してくれた。

   

「なんでも昔、このあたりに女の山神様が住んでいて、4人のお付きの者が守っていたそうだ。あるとき山神様は人と恋仲になってしまった。しかし人は寿命がつきて、この世を去ってしまったんだ。それで山神様は傷心してしまって男にもらった髪飾りひとつ抱いて山の上へと籠ってしまわれた」

   

「4人のお付きは、このまま山と山神様をお守りしようと、ここに留まったそうだよ」

   

「やがて時が流れて4人のお付きもそれぞれ力を失い消えて行った。自分たちまで消えたと知っては山神様がお可哀想だと、消えてゆくお付きは自分の面を彫り社に掛けては消えて行ったそうだ」

「この3つのお面は3人は消えてしまったということさ。でもまだ3つなんだよ。四つ面塚の面が3つということは、希望がまだひとつ残っているってことなんだ。まだおひとりは、この山と山神様を守っておられるんだろうなあ」

   

『山神様を守るお付きの4人。3人消えてひとり残って...なんとなく、本当はなんとなくわかっていることがある。川上からの小舟。水面から上げられることなく川底を覗き続ける頭。あれは何かを探す姿...』

   

夏目:「西村、さっきは変なこと言ってゴメン」
西村:「ハハハ、もう、虫ぐらいでビビるなよ。でもまあ、お前、心配してくれたんだな。ありがとな」

   

『流された...申しわけない...どこか流された...』

   

『山神様の...申しわけない...どこか流された...山神様の大事な...』

夏目:『はい...ああ、どこかで小舟が揺れる音がする...』

   

先生:「おい、こら、夏目。まだ夜も明けてないぞ」
夏目:「先生も探してくれよ」
先生:「探す? 何をだ」
夏目:「う~ん、よくわかんないんだけどさ」
先生:「なにぃ?」
夏目:「たぶんだけど、あの大雨で山神様の大切な物が流されてしまったんじゃないかな。それで、あの面は野宮先生やみんなに取り憑き渡って、それを探してたんじゃないかと思うんだ。山神様の、傷心している山神様の大事な物をさ」

   

先生:「フン、こっちのほうが見渡せるからな。お前はそっちの縁の下あたりを探せ」
夏目:「先生...」
先生:「早く終わらせて私は二度寝がしたいのだ」

   

ふたりで山神様の大切な物を探す。夏目が何か光るものを見つけた。

『簪...あの面はこれを見つけてやりたかったのだろう』

   

『大切な簪を失くして水面から顔を上げることもなく探し回る山神様のために』

   

夏目:「お探し物はこれですか? あなたを守っている者がこれを探してくれましたよ」

夏目が小舟に向かって声をかけると山神様は水面から顔を上げてこちらに来た。

   

   

   

山神:「まだ、おってくれたのか...」

   

   

   

夏目:「山神様は山の上に帰ってしまったのかな」
先生:「だろうなあ。でもまあ、自分を信じ守り続けている者がまだここにいるってことは気づいただろう」
夏目:「ああ」

『時の流れで力を失い消えて行った3人。残るひとりもおそらくそう力はないのだろう。人に取り憑きながら操れもせず、ただ渡り移り、夢に現れ、こぼした言葉はとても小さく。それでも、まだいるんだ。まだきっと、いてくれるんだ』

   

(ニャンコ先生、戻ったところを多軌に見つかる)

多軌:「うわ~ニャンコ先生ウリ坊バージョン~」

   

合宿終了。

西村:「やった~やっと帰れるぜ」
北本:「そういや、ウリ坊は?」

   

夏目:「多軌が別れを惜しんでるよ」

   

田沼と四つ面塚に寄った。

   

夏目:「なあ田沼、お面いくつある?」
田沼:「ん? 3つだよ」
夏目:「そうか...」

   

「お元気で」

   

『不思議な四つ面塚。飾られた面はきっと、いつまでも3つ...』

☆次回 「閉ざされた部屋」

【感想】
山神様、きれいな女性だったんだね。川に頭を突っ込んで小舟で流れて来たときは、出た~妖怪とか思ったよ。なので怖い話かと思ったら、いい話だった。そういえばタクマさんの話のときもそうだったっけ。夏目友人帳ってこういうの得意だな。ま、実際は私はこのお話はけっこう最近、コミックで読んだような気がして記憶も新しいんだけど、人と妖の恋の話つながりで入れてきたのかな。
山と山神様を守り続ける面の妖怪はいい妖だったね。いいやつといえば、夏目の友だちはホントにいい人ばかりだね。いつもフォローしてくれる田沼はもちろんだけど、おかしな言動の夏目に突っ込むこともなく、心配してくれてありがとうと言える西村もいいやつだね。
ニャンコ先生ウリ坊バージョン。かわいかった。ウリ坊に見えるかどうかは別としてw

 夏目友人帳6-9-20





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Last updated  2017.06.10 17:37:36
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