今週はシフト勤務ってヤツで、お昼過ぎに出勤して夜遅く帰ってくるという勤務形態でした。 唯一のメリットは朝のラッシュで込み合う電車に乗らなくてすむこと、そして電車内で座って読書ができること。
今回の通勤の友は以下の二冊でした。
講談社文庫 三津田信三著
・忌館
・厭魅(まじもの)の如き憑くもの
P1050699 posted by (C)蜻蛉155
読んだのは、厭魅(まじもの)の如き憑くものが先になりました。 カバー絵から受ける印象はホラー系。 そのとおり中身もホラー色の強いものでした。 ただし、「ホラーミステリー」と謳われているので、果たしてどんなものなのかと購入にいたりました。
もともと・・・というか、依然にホラー小説を読んで非常に落胆したことがありまして、それからというものホラーモノは避けてきてたんです。 それはあまりにも恐怖感のみを追求して、結局は尻切れトンボで終わってしまい、複線の回収も疑問点もほったらかしという酷い物でした(でも其の当時の話題作にはなっていた)。 ま、ホラーはそういうもんだと言われれれば仕方がないのですが、僕には合わないジャンルだったわけです。
なんで気が変わったのかというと、よく分かりません。
ちなみに講談社のHPでは以下のように紹介されていましたので転載します。
・厭魅(まじもの)の如き憑くもの
憑き物の恐怖 カカシ様の戦慄 連続する人死にの謎
戦慄の本格ホラー推理!山深い村に蔓延る恐怖の連続!神々櫛(かがぐし)村絵図、現場見取り図を追加、待望の文庫化!
神々櫛村。谺呀治(かがち)家と神櫛(かみぐし)家、2つの旧家が微妙な関係で並び立ち、神隠しを始めとする無数の怪異に彩られた場所である。戦争からそう遠くない昭和の年、ある怪奇幻想作家がこの地を訪れてまもなく、最初の怪死事件が起こる。本格ミステリーとホラーの魅力が圧倒的世界観で迫る「刀城言耶(とうじょうげんや)」シリーズ第1長編。
う~ん・・・、まぁまぁ面白かったです。割と怖かったし。
でもね、ちょっと最後の部分、探偵役の刀城言耶が謎解きをする部分なんですが・・・もう少し演出して欲しかったですね。誰々犯人説ってヤツを四つも披露しちゃって、コレじゃなければコレって進め方はイマイチ納得いかず・・・。 終わってみれば「ああ、だからこういう構成なのね・・・」って変なところで納得しちゃったりもしました。
それでも、同じ作者のデビュー作を次に買っちゃうあたり、実は結構気に入ったのかもしれません。
・忌館
幻のデビュー作、待望の文庫化!
本格ミステリーとホラー融合の愉悦 "作家3部作"第1作登場
主人公、"三津田信三"は"武蔵名護池"で"竹の向こうに見え隠れする洋館"に辿り着き......
奇妙な原稿が、ある新人賞に投稿された。"私"は友人から応募者の名が「三津田信三」だと知らされるが、身に覚えがない。そのころ偶然に探しあてた洋館を舞台に、"私"は怪奇小説を書きはじめるのだが......。本格ミステリーとホラーが見事に融合する三津田信三ワールドの記念すべき最初の作品が遂に登場。
こちらは、結構怖かったし楽しめました。構成も巧みで、現実部分と作中作が・・・(ネタバレになるので以下自粛)、それにその作中作もなかなか怖い。 でもやっぱりホラーらしく、説明仕切れない部分が残る・・・。 ま、それを含めて楽しめればいいんでしょうね。
次のシフト勤務予定までに続巻も文庫化されてくれないかな。