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カテゴリ:百人一首ゆかりの地
これやこの 行くも帰るも わかれては
知るも知らぬも 逢坂の関 蝉丸 リズムが良く、憶えやすいこの歌は、第10番。 作者の蝉丸はどういった人物だったかはわからず、生没年も不詳。ざっくり平安時代前期の人物ということだ。 坊主めくり専門だった私は、「頭は坊主じゃないが、蝉丸は坊主なんだ!!」ということで蝉丸をおぼえ、車の運転をし始めてからは、名神高速の蝉丸トンネルを通る時は、「これやこの〜」とつい歌を詠んでしまう。 百人一首中一番親近感のある作者で、どういう訳か、蝉丸の札を見ると妙にウケてしまう。 歌に詠まれている「逢坂の関」は、山城と近江の国境、蝉丸トンネル付近がその場所だ。 国道1号線の京都/滋賀県境、逢坂山周辺には「蝉丸神社」の名の神社が三社ある。 JR大津駅から近い「関蝉丸神社」の下社へ行った。大津駅から徒歩10分かからない。 踏切は、京阪京津線。 昔は都ホテル前の三条蹴上付近をのったりと走っていたが、現在そのあたりは地下鉄東西線で、山科区の御陵から東が京阪区間になっている。浜大津付近では昔ながらの路面電車状態になっているが、チンチン電車なんて生易しいものではなく、ごぉーーっと電車が道路を走って来るので、運転中はできれば道路上ではお会いしたくない物体だ。 踏切を渡るとすぐに境内。 もうちょっとお手入れしてもいいような雰囲気。 蝉丸の歌碑周辺はうらぶれてしまっている。 人手が足りない感がありあり。 お宮さんのある場所の地名は大津市逢坂。 神社前のこの道は旧東海道で、写真の方向に進んで山を越えると山城の国へ入り、京三条大橋まではあと10kmほどだ。 恋の歌が多い百人一首。 恋といえば、逢瀬がつきもの。 『逢坂』は「逢う」の掛詞になっているので、あと二首に『逢坂』が出てくる。 第25番 名にしおはば 逢坂山の さねかづら 人に知られで 知るよしもがな 三条右大臣 第62番 夜をこめて 鳥のそらねは はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ 清少納言 超わかりやすい蝉丸のと違って、どうにもわかりにくく憶えにくかった清少納言の歌。 訳を読んでも、いきなり「函谷関の番人はだませても」とかあって、どこにも書いていない「函谷関」って何よ〜何なのよ〜! と吠えるだけで、疑問を解決する気はさらさらなかった高校時代が思い出される(遠い目) 清少納言女史と、女史と対等に話ができる藤原行成氏の、知識階級のウイットに富んだやりとりを聞かされても、凡人JKにはわかんなかったっすよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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