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ハイネの森

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2016.02.17
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『Guys and Dolls』を観てからマイブーム中なのがマーロン・ブランド。


『欲望という名の電車』(1951年)  
『波止場』(1954年)
『ゴッドファーザー』(1972年)
『スコア』(2001年)
『地獄の黙示録』(1979年)
『ジュリアス・シーザー』(1953年)
『ドンファン』(1995年)
『若き獅子たち』(1958年)

と観て、さて次は、、と目にとまったのが『サヨナラ』(1957年)。

ナンシー梅木(ミヨシ・ウメキ)さんがアカデミー助演女優賞とった作品として題名は知っていた。
外国映画で日本を描いたものは、観てて恥ずかしくなるというか目をそらしたくなる場面があることが多く、渡辺謙さんが出演していた『SAYURI』ですら最後まで観るのが大変だったのに、1957年製作の映画で日本を舞台にして耐えられるか?と思ったが、これが意外に大丈夫だった。

もちろん突っ込みどころはたくさんあって、

第1関門は、歌舞伎俳優のナカムラさんがリカルド・モンタルバンというメキシコ出身の俳優さんだというところ。「高島屋」と書かれた緞帳のある日本の舞台(祇園甲部歌舞練場)を使って、白塗りのモンタルバンさんが女形になったり立役になったりする。大真面目に演じてらっしゃるので余計に面白いというか違和感がある。でもね、違和感なんて言ってはいけないほど練習なさったんだろうと思う。

ここさえ乗り越えれば、あとは何とか(笑)

・主人公は〈キャンプ・神戸〉に来たはずなのに、〈キャンプ・京都〉としか思えない
・嵐山の渡月橋を背にして二見浦の夫婦岩を見ながら主役カップルがLOVEモードに浸る
・七夕が花火大会みたいになっている
・京都にしか思えないお座敷でなぜか炭坑節
・主演女優さんの普段の髪型がいかにも盛りすぎ(左右対称の大きな簪)
・マーロン・ブランドの着流し姿
・畳の上でダンスレッスン(捻挫するやん)

など小さな関門は散りばめられているけれど、重要人物のナカムラさんの歌舞伎以外の日本文化については本物を出演させているので、日本を真っ当に描いていると思えた。歌舞伎、
歌劇(OSK)、茶道、能、文楽と日本文化のフルコース。


朝鮮戦争でエースパイロットのグルーバー少佐(マーロン・ブランド)が日本に転属になり、将軍令嬢で教養も高くアメリカンビューティーな婚約者がいるのに、日本の歌劇団トップスター(高美以子)に一目惚れし、“出待ち”しまくって彼女と恋仲になる。既に日本女性カツミさん(ナンシー梅木)と結婚していた部下のケリー(レッド・バトンズ)の川沿いの家で2人は逢瀬を重ねるが・・・

ストーリーは王道のメロドラマで、壁ドン(正確には窓ドン)ありだ。
壁ドン片手から両手囲い込みになった時は感動したわ。60年近く前の壁ドン、、、
(中途半端なカメラワークにイラついたけど)

悲劇ありだがラストが良かった。


(ここから少しネタバレしてます)


アメリカンビューティーなフィアンセに一番感情移入できた。
自分に情熱的じゃない少佐に少し冷たく当たってしまったら、彼女に距離をとられて暇になった少佐は“出待ち”に走り、歌劇団のトップさんに本気になってしまう。日本人女性とつき合うことは軍の規律違反なので、「あなた上官に知られているわよ。気をつけてね」とわざわざ知らせに行くぐらい彼のことを想っているのに、トップさんとの愛を貫くことを決心した少佐に「アイムソーリー」と言われてしまう。少佐にふられた悲しみをナカムラさんに癒してもらおうと思っているところでフィアンセの出番は終わるけど、彼女の次の恋は絶対成就しないことは日本人なら容易にわかる。軍の規律より梨園のしきたりのほうが厳しいもの。

劇中人物が2名を除いて、日本人(東洋人)に偏見が少ないアメリカ人が多く、その辺りはプロパガンダ的要素もあるけれど、作り手側の「異国の文化をちゃんと伝えよう」という心意気を感じたので、観終わって満足できた。

何でも情報があふれている現在。ストリートビューで覗けば、干してある洗濯物まで見える今でも、日本を題材にしたらヘンテコになることがあるのに、60年近く昔でここまで描けていたら合格でしょう。



日本でロケをしているので、1950年代の日本を見ることができるのも楽しかった。
遠くに平安神宮の鳥居と京都市美術館らしき建物が見えたり、八坂の塔が出てきたり、
「へ〜 マメにロケしたんだね」と見ていたら、目が釘付けになる景色が出てきた。

  • 一本橋.jpg
  

ここって片平なぎささんや名取裕子さんがよく歩いているところじゃん。
京都ロケのド定番、白川の一本橋をマーロン・ブランドが何度か歩いていた。


ちょっとロケ地巡りをしてみたくなった。

白川沿いと平安神宮鳥居、渡月橋、八坂の塔、伊丹空港、羽田空港、有楽町の旧日劇、皇居前の交差点は見てすぐにわかったが、グルーバー少佐が出待ちした橋と歌劇団の寄宿舎の設定のお寺がわからない。検索をかけると、全部ではないがちゃんとロケ地をまとめてくれている方がいらっしゃって、そのサイトを見ると橋は仙洞御所でお寺は大徳寺とのこと。
それで仙洞御所を見学したくなったのだ。



劇中での設定は1951年だが、ロケは56年か57年なんだろう。
私が生まれる6年か7年前。
映像に映る京都と東京の街並み、特にエキストラの人々の身なりや雰囲気に、

「私が生まれる少し前ってこんなんやったや。え〜〜 古っ!!」

と愕然としてしまった。

生まれた年から今までは52年。
生まれた年から敗戦の年までは18年

引き算してみると、古くて当たり前の結果が出た。

私の生まれた年なんて、かなり敗戦の年に近いんだわ。(今ごろ気づいた)



ということで、
次回からは足かけ6ヶ月かかったロケ地巡り3回シリーズですかちんこ





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Last updated  2021.05.13 17:33:22
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