あたごおかりな

ギタリストの津田昭治先生から直接解説いただきましたので転載します。

ジプシーキングスの「インスピレーション」の８分音符の件ですが、私たちミュージシャンは、常日頃暗号のようにして、分かり切った事柄を記譜労力を避けるために略式表現することが多いのです。それを出版編集者は一つ一つ常識的完全五線譜面に仕上げてから製本するのですが、最近ではプレヤー自らが音楽ソフトを使って略譜を清書して出回ってしまうことも多く、この八分音符もそうだと思います。継続的に各拍の裏のみ音を出す時によくこのように書きます。一種のシンコペーションに当たりますので頭に一々八分休符を書くと一々音を止める意味になってしまい、かといって八分音符を書き並べて２つずつタイでつなぐと大変見にくく、正しく４分音符を連ねると慣れない人にはリズムが数えにくく、という訳でこれは苦肉の策であり合理的非合理ともいえる記譜法なのですね。長々くどくどと失礼しました。
現代ギター社発売ウクレレソロ解説書はまだですが、10月初頭にヤマハから「これから始める大人のウクレレ」のようなタイトルで独習者向けのCDブックが発売されます。この夏に書いたものです。よろしくお願いします。