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ダンドール・男的人形趣味

ダンドール・男的人形趣味

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2Wings

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2024.06
2014.05.05
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アンタは想像できるだろうか?
宇宙空間で人間同士が殺しあうって事の愚かさを。

宇宙船ってのは小さな循環型世界だ。
いつ補給が来るかも分からない状態では
何でも再処理・再利用して調達物資を減らさなければならない。
そう、ウンコもシッコもリサイクルして飲用・食用にするのだ。

本部とか、エリートがいる艦は設備が整っているからイイ。
オレらのような役立たずの揃った下級艦は調子の良い設備を探す方が大変だ。
敗戦濃厚な状況の下級艦の生活環境がどれだけ劣悪か、
アンタなら分かるだろう。

  • men-5.jpg

因みに、オレはH。
兵士H。
向かいの相棒はBだ。

 兵士B(以下B)「アレ、オメー名前変わったの?」
 兵士H(以下H)「フッ、まァな。」
 B「まさか、発酵のHじゃないだろうな」
 H「その通りだ、カッコイイだろう。」
 B「バカめ、オレだって分解のBだ!」
 H・B(オレらも出世したモンだぜ。)
 H「どうでもイイが、この栄養剤、ヒデェな。」
 B「増々、再処理感が薄くなってるな。」
 H「既に対人間用の領域を超えていると思う。」
 B「神の領域に突入したな。」
 H「じゃあ、結構ウマそうにコレを食しているオレらは・・・」
 B「既に神だね!」

数日後、寄せ集めのパーツを組み合わせ、
ありったけの武器を換装し、ザクが完成した。
足りない人員の中からパイロットに選ばれたのは、Bだった。
出撃は明日。

  • men-4.jpg

 B「ザク、格好イイよな。」
 H「ああ、ハゲてるけどな。」
 B「強そうに見えるよな。」
 H「ああ、デブってるからな。」
 B「コイツに憧れて、オレは入隊したんだ。」
 H「オレもさ。足が厚底だけどな。」
(注1:ひと頃流行った厚底サンダルを指している。
   「流行遅れのギャルみたいだが」の意。)
(注2:ザクのデザインは厚底サンダルより先。
   流行を先取りしていたと言える。)
(注3:格好良さのポイントを逸脱しているザクが、
   ナゼ格好イイのか、実にナゾである。)
 B「戦争なんかオッ始めなきゃ、ザクはヒーローだったのにヨ」
 H「今でもヒーローさ、こうして目の前にあるだけでな。」

Bはザクを見上げ、「神の栄養剤」を流し込みながら頷く。
ふと手元を見て、元がどんな味だったか忘れちまった、と独り言のように言った。

その夜、オレは調理部に出向き、上級将校用の栄養剤をBのために分けて欲しいと頼んだ。
「ハハハッ、最後の望みが栄養剤かよ、小せェなアー。」
オレは思わず、ヤツをぶん殴った。
「明日、命を散らすかもしれない男の望みを、お前は笑うのかよッ!」
奴は立ち上がり、3倍くらいオレを殴り返した後、一袋の栄養剤を投げて寄こした。
「総統閣下にお出し出来る代物だ。よく味わって頂けと言え!」

翌日。
出撃準備をしているBに、例の栄養剤を黙って渡す。
Bはアザの出来たオレの顔をチラリと見て、
やっぱり黙ったまま、栄養剤を流し込んだ。

 B「マズイな。ちっともウマくねェ。」
 H「オメーのような奴は、すぐ忘れることにするゼ。」
 B「そうしてくれ。」

ニヤリと笑い合って、オレらは別れた。
カタパルトから発艦していくBの搭乗機。
その時、スピーカーからBの叫ぶ声が聞こえた。
「ウォォォーッ、テメェ、ウンコ食えるんかーッッッ!!」

そうして、Bは流星になった。

  • intro.jpg





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Last updated  2014.05.05 18:18:47
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