【中村主水が死んだ。】
ブログの更新を控えめにするという旨の記事をアップしてから、その舌の根も乾かぬ内に、本日二本目の記事を書くことになりました。俳優の藤田まことさんが亡くなられたとのニュースを知りました。訃報はお昼頃のニュースで第一報が報じられたそうですが、嫁が気を使って、知らせずにいてくれました。自分で何気なくネットの中を泳いでいて、いきなりこんな大ニュースに出くわしてしまいました。覚悟はしていたつもりでした。2008年に食道がんの大手術をされ、翌年に放映された『必殺仕事人2009』では、明らかに動ける範囲が制限されていましたから。それでも若い仕事人たちをまとめる凄味のある演技は健在で、またジャニーズ主体かどうかは分かりませんが、新しい必殺シリーズが作られる時、必ずその現場に居てくれるものと、逆の考えも持っていました。覚悟はしていたつもりだっただけで、いい歳をして恥ずかしいですが、取り乱してしまいました。藤田まことさんと云えば、僕にとっては、中村主水(なかむら もんど)です。主水さんは、実在の人物ではありませんが、僕は尊敬しています。どこを尊敬しているかと聞かれると、答えるには、半角10,000文字では、とても足りません。永い歴史を持つ必殺シリーズの中の、この話のこのシーンでのこの台詞、この動きがいいんだよという細かい話になってしまいますので。主水さんは、1996年に公開された映画『必殺!主水死す』で、一回死んでいます。僕は、この映画を観に行くのがとても厭でした。実際、鑑賞後の後味も悪かったです。ただ、一点。映画パンフレットに、藤田さんが「中村主水は不滅なんです。また甦りますよ」という旨の談話だけが、救いでした。そして、その言葉に嘘は無く、『必殺仕事人2007』で本当に復活してくれました。やはり、中村主水は僕にとって不滅のヒーローなのだと再確認させてくれました。嬉しかったです。でも、主水さんは、とうとう逝ってしまいました。どんなに悪い人間でも殺していいという権利を、人は持っていません。人を殺すという行為は、どんな理由であれ許されるものではありません。その許されない行為をしたが最後、決して人並みの幸せを掴むことは出来ません。必殺シリーズでは、上記の真理に乗っ取って、何人もの殺し屋たちがごみくずのようにその命を散らしていきました。主水さんは、そんな仲間たちの無様な死をいくつも見てきました。主水さん自身も、いつかみじめな死に様を晒すはずでした。でも、彼は生き抜きました。姑と嫁にいびられなからも生き抜きました。藤田さんは、大動脈破裂のため、大阪府内の病院で亡くなられたとのこと。僕は、この事実を、中村主水のものとして、こう解釈したいです。主水さんは、八丁堀のあの家で吐血し、小石川の療養所へ運ばれたが、時すでに遅く、手の施しようもなく、この世を旅立ったのだと。「永い間、裏稼業をしてきた者にしては、蒲団の上で死ねたなんて幸せ者じゃあねェか、八丁堀ィ」仲間たちのそんな言葉が、聞こえてくるようです。「あはは。わりィな、俺だけ」照れ笑いをしながら、仲間たちのいる地獄へ主水さんは行くのでしょう。こんな言葉があります。死は終りを意味するが、残された者には始まりを意味する。藤田さんは亡くなられた。同時に中村主水も死んだ。だけど、残された僕は、これから藤田さんのいない世界を生きていかなければなりません。いつまでもメソメソしていないで。そうそう。主水さんは、映画『必殺!裏か表か』で、こんな台詞を言ってました。「世の中、金。だが、俺は違う違うと死ぬまで喚いてやる」この言葉を、若輩者ながら僕が引き継ごう。きっと、僕だけじゃないはず。主水さんを心の師と仰ぐアングラピーポーたちが、同じ想いで喚いてくれるはず。最後になりますが。藤田まことさんと中村主水さんの御冥福を心からお祈り申し上げます。では、今日はこの辺で~。今日も読んでくださってありがとうございました。応援のランキングバナークリックをしていただけると嬉しいです。よろしくお願いします。 チキショー。それにしても涙が止まってくれません。ランキング参加中です。みなさんの応援を糧に更新がんばります! 人気ブログランキング にほんブログ村charm 楽天市場店*** うつ蔵イチオシのあくあしょっぷです。通販もやってます。 ***