□■図書館の暗号■□アントニー・バウチャー『QL696・C9』
ロスアンジェルスの公共図書館分館で、司書のミス・ベンソンが殺されました。被疑者は4人。 ミス・ベンソンは犯人が近づいてきたとき、タイピングしていたブックリストに「QL696・C9」という文字を遺していました。この意味は? 捜査に当たったマクドナルド警部補は、先輩のニック・ノーブルの意見を聞きに行きます。「日常目に触れるきわめて実用的な」ものを使った暗号が興味深いという編者の評ですが、アメリカと日本では事情が異なるので、よほど知識のある人でないと思いつかないでしょう。日本の図書館司書でも無理かも。 犯行の動機はなるほどと思います。話の展開も面白いです。 参照元:レイモンド・T・ボンド編 宇野利泰・訳『暗号ミステリ傑作選1』 グーテンベルク21デジタルブック