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September 26, 2024
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カテゴリ:ミステリー三昧

『MISSING』の中の一編『眠りの海』。

 崖から飛び降りたものの自殺に失敗して海辺でたき火に当たる私。傍らには地元に住んでいるという少年がいました。私は少年を相手に、死のうとした理由を話していました。

 教師だった私は、母親が不倫相手から金を引き出すためにだけ生まれてきた、私生児の京子と関わるようになりました。私も両親が交通事故で他界していて、お互いの孤独を埋め合うかのようにひかれていきました。
 しかし、教師と教え子の恋愛は当然学校内で問題になり…。



 少年は、京子の秘めた思いと行動を推理して私に 伝えます。京子と私に起こった事故の本当の意味が明かされるのでした。

 共に肉親の愛に恵まれず、心に空洞を抱えてしまったふたりの出会い。きっかけは偶然、惹かれ合うのは必然だったのかもしれません。でも、その関係が長く続かないこともまた必然だったのでしょう。

 人生には自分の努力ではどうしようもない要素があります。選べない生まれ育ちであったり、大きな災いにつながってしまう小さな過ちであったり。重いストーリーですが、「私」が暗い海に背を向けたことで、これから開ける未来があると信じたいところです。

 私と少年は、最後にそれぞれの方向に還ります。

              ​参照元:本多孝好『MISSING』双葉文庫 から『眠りの海』​





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Last updated  September 26, 2024 12:00:27 AM
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