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三線マンが行く!!<世界一周編・A-side>

三線マンが行く!!<世界一周編・A-side>

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2009.04.14
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カテゴリ:シリア
皆さんこんばんは。

私が愛用しているカメラメーカー「Nikon」を「ナイコン」と読んでしまう西洋人ども
妙に許しがたく、「違う、『ニコン』だ!!「日本人の俺がいうんだから正しい!!」
イチイチ啓蒙してまわっている三線マンです。

さて、本日はシリアの『街』についてご紹介します。


リアの街歩きは楽しい!!


アレッポもダマスカスも、昔ながらの街並が残る「旧市街」と、
比較的近代的なビルやマンションが立ち並ぶ「新市街」に別れており、
一般的に我々観光客が行動するのは「旧市街」と呼ばれる地区です。

DSC_1584.JPG

石畳と漆喰や石造りの美しい街並は、いずれもその紀元を
4000年以上昔に遡るといわれ、特に、ダマスカスの旧市街、
通称「オールド・ダマスカス」は世界遺産にも指定されています。
この旧市街が何処を歩いていてもたまらなく魅力的なのです。

細く、複雑に入り組んだ路地をろくすっぽ地図も見ずに、
あえて迷子になる事を望んでいるかのように、奥へ奥へと歩いき、
そして、ふと立ち止まり、周りを見回してみる。


どこからともなく聞こえる子どもたちのはしゃぐ声。

強烈に照りつける太陽。

かすかに漂ってくる肉と香辛料を焼く香ばしい香り。

不意をついて「ひょう」と吹き抜ける風。

いつの間にか、自分が知らないうちに過去の世界へと
タムスリップしてしまったかのような感覚にとらわれます。

DSC_1518.JPG

さて、数あるイスラム国家の中でも、特に敬虔だといわれているのが、
シリアの人々。1日5回は街中のスピーカーからアザーン(コーランの詠唱)が
鳴り響き、だいたいの人々はキッチリとその時間、神に祈りを捧げます。
なので、当然街はモスクだらけ。

DSC_1377.JPG


コチラは、ダマスカス最大にして、最も有名な「ウマイヤド・モスク」

DSC_1616.JPG

上の写真のような平ぺったいモスクから、トルコやマレーシアのような、
我々の中の「モスク」のイメージにある、タマネギ型の屋根のものまで、
様々な形のモスクがそこかしこに立ち並び、お祈りの時間には、
吸い込まれるかのように人々がモスクの中に入っていきます。

通常、モスクというと非常に厳粛な雰囲気が漂っているのですが、
この国のモスクは、もう少し人々の生活との距離感が近いようで、
広々とした中庭を持つモスクの中では、子どもたちが走り回り、
オッサンたちは涼しい日陰やモスク内で昼寝を満喫し、
奥様方は、お菓子などを食べながらおしゃべりに花を咲かせ、
まるで昼間の公園のような雰囲気で、非常に和やかな空気に包まれています。

DSC_1643.JPG

かと思えば、同時に長いキリスト教の歴史も併せ持つシリア。
街の一角には教会を中心としたクリスチャン地区があり、
こちらでは夕方頃には聖歌が響き渡ります。

DSC_1302.JPG

アレッポのギリシャ系の教会。

DSC_1298.JPG

嘗てはアルメニアの商人がこの地に住み始めたのがきっかけで、
このキリスト教地区が形成されたといわれていますが、
今は、トルコで起こったアルメニア人の大虐殺から逃れてきた人々が
ここに住んでいるという、悲しい歴史を持つ場所でもあります。

DSC_1304.JPG

ちなみに、この周辺はクリスチャン地区ゆえ、イスラム国家にありながら、
ビールや酒が買えるという、私にとっても非常に重要な場所でもあります。

ちなみに、アレッポの旧市街には、世界遺産にも登録されている
アレッポ城が、小高い丘の上に堂々と聳え立ち我々を見下ろしてます。

DSC_1388.JPG

荘厳な石造りの門と堀に掛かる橋が美しいこの城ですが、
インドのジャイサルメールと同じように、嘗ては城塞都市として
機能していたようで、城の内部にはハマムなども備えた古い街が残ります。

DSC_1430.JPG

素樸な石造りの外観に対して、城の大広間は流石に絢爛豪華です。

DSC_1435.JPG

さて、そんなカンジで、様々な歴史遺産が密集している旧市街ですが、
何といっても一番の見所は「スーク」といわれる市場です。

コチラはアレッポのスーク。

DSC_1520.JPG

石と漆喰で出来た長い回廊の両脇に、小さな店がビッシリとひしめいています。
衣類、布地、食料品、香辛料、食堂、お菓子、電化製品、陶磁器、お土産、
ありとあらゆるものが、通りいっぱいにずらりとひしめく様子は圧巻です。

そしてコチラはダマスカスのスーク。

DSC_1573.JPG

アレッポのスークよりも更に規模の大きなスークには、
朝から晩まで、1日中人が途絶える事がありません。
足と好奇心が赴くままに、テキトーに目についた店を冷やかしてみると、
今までの国では見られなかったような、食べ物や、衣類、
正体不明の怪しいものがゴロゴロと転がっているので、全く飽きがきません。

ダマスカスで見つけた「怪しいもの専門店」のショーケース。

DSC_1779.JPG

そんなものを物色しながら、気の向くままに歩き回っていると、
いつの間にか太陽は西の空に傾いて、モスクのミナーレを赤く照らしています。
道に迷ったって平気、今自分が何処にいるか分からなくなっても平気です。
近くにいる誰かに「道が分からない」といえば、必ず手を差し伸べてくれます。

おいしい地元の人のマネをして、アイスクリームを頬張りながら、
歩く夜のスーク。にこやかに歩く人の群れを見ていると、
それだけで何か、幸せな気分が込み上げてきます。

DSC_1531.JPG

ただそこにいるだけで、どんな場所よりも素晴らしい観光地。

そして今日もまた、ろくすっぽ観光地へも、博物館へも行かず、
有り余る魅力を発散する旧市街を歩き回ってしまうのでした。

DSC_1496.JPG


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Last updated  2009.04.15 03:22:36
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