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テーマ:今が旬の話(414)
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「あれほど下劣で深い憎悪は一種の賛美だ、と学生は考える。
大して期待は持てないが、その女を捜す決心をする。 祈りをささげてから、ゆっくりとした、たしかな足取りで長い道を歩き出す。 (中略) 学生はこの問題について熟考し、ある神秘的な結論に達する。 「地上のどこかに、あの光を発する人間がいるのだ。 地上のどこかに、あの光そのものである人間が存在しているのだ」 (中略) だが、もうひとつの発想については、そうは言い切れない。 全能の神も何者かを求めており、 この何者かもさらに上位のーあるいは、単に不可欠な同等の存在であるー 何かを求めていて、これが時の終わりまでーむしろ無限にー、 つまり円環的に続くという予測についてはである。 ホルヘ・ルイス・ボルヘス 『アル・ムターシルを求めて』より お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.05.14 03:19:58
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