“【
ビートルズ】の後は何もなかった。”と本人が話しているように、リバプールのロックシーンには本当に何も無かったんでしょう。その本人とは1974年リバプールのアート・スクール・カレッジの学生達によって結成されたバンド、【
デフ・スクール】のフロントマン、クライヴ・ランガーです。
このクライヴ・ランガーという人物はデフ・スクール解散後、プロデューサーとして、ニューウェーヴ期の【
マッドネス】のアルバムのヒットで一躍脚光を浴びるようになり、【
ティアドロップ・エクスプローズ】【
ミッドナイト・ランナーズ】【
ロイド・コール&エモーションズ】などを手掛け活躍しています。
さらにリバプールのロックシーンがクローズアップされたのが【
エコー&バニーメン】の登場によってだったと思いますが、この
デフ・スクールは70年代とニューウェーヴとの橋渡し的な存在だったという事で、
ロック通やミュージシャンから評価の高い人達です。(特にリバプールでは)
要するに一般的には人気がなかったという事なんですけど。。。
そういう私も、バンド名は知っていましたがまともに聴いたことがなかった。それは彼らのセカンドアルバムからくるイメージ的なものが原因だと思う。『DON’T STOP THE WORLD』のジャケットの毛色の悪い男の顔、これを見たとたん“このバンドはゴシックなパンク系かヘヴィメタ系のバンドなんだろう”とインプットしてしまったからです。
↑これ見たら聴く気しなくなるでしょ!?(笑)
そして今年、デフ・スクールのアルバムが紙ジャケット化されて再発売されるというニュースを聞いて気になってファースト・アルバム『2ND HONEYMOON』買ってみました。
感想。
ガーン全然パンクじゃない。ショック!!良い意味で。(笑)それも飛び切り美味なハイセンス・モダン・ポップでした。それもメンバーが8人もいるという大所帯バンドだった。当然音もゴージャスでサックスやアコーディオン、バンジョー、フィドルなんかを使用していました。ロックというよりは屈折したオペラ、劇画チックで面白い。こんな先進的な音作りをしていたバンドが70年代にいたのかぁ。びっくり。【
10CC】より進んでいるよ。
女性ヴォーカルもいて、昨年ブレイクしたカナダの大所帯バンド【
アーケイド・ファイア】を連想してしまった。アーケイド・ファイアのようにクラシカルではないけどアートぽさは共通している。
オペラ、劇画の世界をポップ音楽に移植したという感じかな。
↑クライヴ・ランガーはどの人?どなたか教えてつかあさい。
ジャケットのフォトには海岸線を背景にした、映画のワンシーンのような男女のラブシーンが写っていますが、裏ジャケを見てみると、その海岸線はスクリーンの映像であってスタジオのセットであるという落ちがとてもユニークです。
デフ・スクールって70年代では革新的すぎて評価されなかったんじゃないかなと思わざるを得ない。今聴いても新鮮です。
最近のリバプールのバンドでは【
コーラル】とか【
ズートンズ】とかいますが、最近聴いているズートンズのアルバム『TIRED OF HANGING AROUND』がこのデフ・スクールのポップセンスを受け継いでいるなぁと思いました。
第一印象で聴かず嫌いしてはいけないなぁと身にしみて感じてしまいました。お馬鹿なパーマンちゃん。
反省。残りの2枚のオリジナル盤も買おう。
《デフ・スクールこんな人にお勧めします》
ロック・オペラ時代の【
キンクス】が好きな人
ありきたりなポップスでは物足りない人
モダン・ポップが好きな人
10ccが好きな人
大所帯バンドが好きな人アーケイド・ファイアとか
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