【ダン・ハートマン】のレコードを初めて買った時のことは良く覚えている。
あれは1978年、私は東横線の学芸大学駅から徒歩で5分の所の四畳半のアパートに住んでいた。折しもディスコブームの真っ直中、何かディスコのレコードで良い物がないかと考えていた時、ふと六本木に行けば良いレコードに出会えるのではないかと思いついた。だいたいいつもロックのアルバムを買いに行くのは、お茶の水や新宿、渋谷と決まっていたけど、ディスコとなると品不足感があったから。
六本木界隈には著名なディスコが数店あり、一番旬で流行の音が聴けると思ったからです。
調べてみたら一件だけ専門店があることを知って、探しに行くことにした。学芸大学駅から2つ先の中目黒駅で日比谷線に乗り換え、六本木駅で下車。そのレコード店は駅から徒歩で5分ぐらいの所にあった。店は縦長で30平方メートルほどの大きさ、案外小さめでした。
東京生まれの東京の下町育ちって、意外と六本木とか原宿って行かないもので、(竹下通りは田舎の小娘ばかりだぞ)銀座とか新宿とか秋葉原周辺ばかり、六本木駅で下車したのもこれが初めてだった。
ドキドキした記憶があります。
この店で買ったのがダン・ハートマンの「Instant Replay」という曲が入っていたLPでした。
ダンちゃんです。ダンダダンではありません。なはは。
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ロックからディスコへ転身したダン・ハートマン
ダン・ハートマンはソロ・アーティストになる前は、【エドガー・ウインター・グループ】というバンドに属していて、【リック・デリンジャー】【エドガー・ウインター】と共にバンドの中心として活躍していました。
当初ディスコ・ミュージックの大半は黒人のソウルであって、流行に乗って白人アーティスト達も続々ディスコナンバーをリリースし始めました。【ヒートウェイヴ】や【アベレイジ・ホワイト・バンド】等ですね。ダン・ハートマンもロックから決別し、ディスコアーティストとして再出発しました。
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白人の手による、白人の感覚で創り上げたディスコ・ミュージックの頂点
正にそれに相応しい、ベストヒット集、『KEEP THE FIRE BURNIN’』。アルバム冒頭のインストゥルメンタル・ナンバー「Vertigo」の高揚感を誘う規則的な“
ズンチャズンチャ”のディスコ・リズム。続く全米ディスコ・チャート6週連続No.1を記録した「Relight My Fire」でのっけから盛り上がります。
♪Relight my fire
Your love is my only desire
Relight my fire
Cuz I need your love, ooh what I say♪
(もういちどハートに火をつけて きみの愛がほしいだけ もういちどハートに火をつけて きみの愛がほしいから ただそれだけ)
映画『ロッキー4』の挿入曲で、ジェームス・ブラウンが歌いヒットした「Living In America」も収録。これもダンの曲でしたね。
「I Can Dream About You」(あなたを夢見て)は【ホール&オーツ】がカバーしていました。
♪今夜きみを抱けないのなら
きみの夢を見ていればいい
きみに唇を押しつけ そして抱きしめよう
きみの夢を見ていればいい
きみの魔法にかかってしまったんだ
それ以外どう説明すればいいんだ♪
「The Name Of The Game」「We Are The Young」「Free Ride」も名曲。どれも
ドラマチックな編曲とリズムが快活なディスコ系のビートです。ヴォーカルにも張りがあって、声域が広くソウルフル。
このベスト盤、一家に一枚的なアルバム。ディスコアルバムで代表作1つ挙げろと言われればこれしかないでしょ。
なお、ダン・ハートマンは1994年に亡くなっています。享年43才でした。
「Instant Replay」にはあの懐かしい、ディスコの象徴的なリフ“
チャララン”が聴けて
ご機嫌ですぅ。あと“
フーフーフー”の掛け声もね。(笑)
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