ふと、【ジャクソン・ブラウン】が聴きたくなり聴いています。一般的に最高傑作と言われている『LATE FOR THE SKY』です。
容姿の事を言うのは、ミーハーみたいで申し訳ないけど、この人の顔立ちは当時から好きでした。【ジェイムス・テイラー】よりもジャクソン・ブラウンの弱々しそうで、ナイーブそうで、優しそうな顔立ち、こんな青年になりたいと思っていた。
この人だったら、ハンバーガーやらホットドッグは食べないかもしれない。菜食主義で質素な食生活を送っているかもしれないなと言うイメージ。
南カリフォルニア出身のシンガーソングライターと言っても、カントリー臭さはなく
都市型の悲哀や淋しさが曲想に現れているようなイメージ。
《LATE FOR THE SKY》
♪言いたいことはすべて言い尽くしたはずなのに
心のどこかにすきまがある
それでも、そっと
夜の静寂に身を寄せあうふたり
共に歩んできた足跡をたどってみても
どこかで空しく消えてしまう
僕たちふたり
いつからこうなってしまったのだろう
愛の言葉をこんなにもたやすく口に出せるのに
それはもう何の意味も持っていないかのよう
なぜ、君を愛してしまったのかも
君が僕のどこを好きになったのかも、もうわからない
多分、君が愛していたのは
君が創りあげた理想の僕の姿
僕はもう、どのくらい求めつづけてきたのだろう
ベッドに二人、横たわりながら
移りかわる光を見つめ
陽が昇るまで
愛の言葉を囁きあった
あの朝の幸せを♪
何だか心当たりのある詩です。観念や主義、信念で人を愛する事は若くてエネルギーのある頃は可能だけど、それが崩れてしまえば圧倒的な平凡(退屈)な日常が待っている。化けの皮が剥がれるのもこの時か。その先も愛する事が出来れば、真実の愛でしょうか。
青い空の下で薄明かりの中に浮かぶ、人気のない家。そして家の前に停まっている古い自動車。重苦しさが伝わってくるジャケットです。アンバランスな風景は現実にはなく、二つの景色が合成されたそうです。
「THE LATE SHOW」の中で“悲しみを袋に包み込んで、ゴミ置き場に出したら、車に乗って(シボレー)出かけよう。”という詩も出てきます。けして後戻りは出来ないだろうけど、かすかな望みを託しているような………。考えさせられる曲と、ジャケットのカバーです。
【イーグルス】のデヴューヒットでお馴染みの「Take It Easy」はグレン・フライとの共作のようですし、「WALKING SLOW」を始め、曲調はイーグルス似で共通点も多いような気はします。『HOTEL CALIFORNIA』が1976年作で『LATE FOR THE SKY』が1974年作だとすると、イーグルスの方が触発されているのかもしれないですね。
ジャクソン・ブラウンの声は安定感があって、粘りがあって、そして上手い。まさに
聴き惚れてしまうのです。
良いアルバムですね、『LATE FOR THE SKY』。
このアルバムをチェックしてみる?
「LATE FOR THE SKY」を唱うジャクソン・ブラウンを見てみる?