《イギリス出身のロック・ミュージシャン。1971年、ロキシー・ミュージックを結成。72年アルバム『ロキシー・ミュージック』でデビュー。当初からバンド活動と並行してソロ活動も行ない、73年にカヴァー・アルバム『愚かなり、我が恋』でソロ・デビューする。その後も、全英1位を獲得した『ボーイズ&ガールズ』(85年)をはじめ、コンスタントに作品をリリース。2010年10月、37年ぶりにブライアン・イーノを含むロキシー・ミュージックのメンバーが再結集し、デヴィッド・ギルモアやジョニー・グリーンウッドら豪華ゲストが参加したニュー・アルバム『オリンピア』を発表。》~CDジャーナルより~
“37年ぶりにブライアン・イーノを含むロキシー・ミュージックのメンバーが再結集”か。。。と言うことでリリース前から期待していた『OLYMPIA』だったのですが。いやー、素晴らしい出来です。
フジロック’10でもグリーンのヘッドライナーを努めていたし、元気なブライアン・フェリーを拝められて感動した記憶が昨日のようです。
そんな素晴らしいアルバムを作り上げても、それほど大きく取り上げられることもなくなったのは、時代の流れとは言え寂しいものがあります。
いや、本当に内容はロキシーの
最高傑作と言われる『アバロン』やソロ作の『ボーイズ&ガールズ』を凌駕するというか、雰囲気のとてもよく似たアルバムになっているのです。
ブライアン・フェリーの持ち味とも言うべき、ヴォーカルの色気、妖艶さは健在ですし、4曲目の「ME OH MY」でブライアン・イーノのシンセサイザーが鳴っていたりすると、“うわー、ファーストのロキシー・ミュージックを彷彿させるじゃない”と感激にむせんでしまいました。涙が出そうになりました。(笑)
けして上手いとはいえないフェリーのヴォーカルは相変わらずで変わりがないのですが、拍子がずれまくりなのは高度なテクニックなのではないかなんて思ってしまう。フラフラユラユラと浮遊しまくりで、雲の上を漂っているみたいです。
【トラフィック】のカバー、「NO FACE,NO NAME, NO NUMBER」の料理具合も絶妙。
枯れた味わいがたまらなく良い。ギターは【クリス・スぺディング】だ。フェリーのソロ作ではお馴染みのギターリストだけど、久々に彼のギタープレイを聴いて70年代80年代にタイムスリップしてしまいましたよ。良いなぁ、ディストーションのかかったギタープレイ。
【ティム・バックリィ】のカバー「SONG TO THE SIREN」では【ピンク・フロイド】のデビッド・ギルモア、【レディオヘッド】のジョニー・グリーンウッド、オリジナルメンバーのフィル・マンザネラの黄金トリオによるギタープレイが聴ける。オーボエもオリジナルメンバーのアンディ・マッケイだ。ゆったりとした幽玄な雰囲気と曲調の中でそれぞれの個性と特徴を出しています。
「HEARTACHE BY NUMBERS」は【シザー・シスターズ】のジェイクも参加。シザー・シスターズらしさというよりも、初期のロキシーを彷彿させるが、聞き込めば新しい発見があるかも。類は友を呼ぶと言うことにしておきます。(笑)
今年65歳になるとはいえ、変わらぬ耽美さと官能さを維持しているブライアン・フェリーに大拍手!
アルバムカバーに対する拘りについても全盛時と変わりなく、【ケイト・モス】を採用したのはナイスセンスでした。
イーノとの関係も良好なようだし、ロキシー・ミュージック名義での新譜も期待できそう。
Bryan Ferry/Olympia