《英国出身の女性シンガー。音楽出版関係の仕事をしながら音楽活動を行ない、95年に兄の率いるグループ、フェイスレスに参加。グループのデビュー作『レヴェランス』が世界で500万枚のヒットを記録し、バンドの紅一点として注目を浴びる。99年にはソロ・デビュー・アルバム『ノー・エンジェル』を発表。エミネムとのコラボレートやNHK海外ドラマ『ロズウェル 星の恋人たち』の主題歌で日本でも名を知られる存在になった。》~CDジャーナルより~
低い声のフィーメルヴォーカリストって、そんなに好みではなかったのだけど2008年11月リリースの『Safe Trip Home』を2年半も掛けて定期的に聴いていたら、すっかり愛聴盤になってしまったというパターン。
最近の流行とは正反対な純シンガーソングライター。確かに地味、ダークで明るくもない曲調。スローテンポ。でも、何故か聴いていて凄く落ち着く。そのメロディーには
痛みや悲しみの旋律が内在されているような。でも声には張りと艶があって、
温かみと優しさも内包されている。
《us 2 little gods》
♪真っ赤に日焼けして歩いた家路
彼は言った
「やせっぽち、森へ行こうよ」
彼女は言った「無茶しないでよ?」
二人は小さな神 恐いものなんて何もなかった
人は言った「やせっぽち、大きくなったね
けどそれじゃウェディングドレスは着られない
彼はいつになったら仕事に就くんだ?」
彼女は言った「今のままで十分よ」
二人は小さな神 恐いものなんて何もなかった
この人生さえあれば ほかには何もいらない
今日という日があれば それ以上は望まない
この瞬間があれば すべてが止まったっていい
何もかも止まればいいわ 私はこれで満足
早い夏がまたやってきた
子供を連れて 繰り出すの
ビールをあおって 左手に月を見ながら
日が昇れば 手を取って彼が言うの
三人は小さな神 恐いものなんて何もない♪
ジンワリとくるラブ・ストーリィ。
愛の結束を強く感じる歌詞。愛って深いところで繋がっているんだと切に思う。でも、殺伐とした現実の世界にあっては忘れがちであるし、消えてしまいそうな小さな灯火。それだけに、歌になると込み上げてくるような感動があります。
【ブライアン・イーノ】がゲストで参加しているという意外な一面もあり。(「glafton street」という曲。)
あーまた、繰り返し聴きたくなるのだろうな。それは1か月後かもしれないし、3か月後なのかもしれないけど……。彼女(ダイド)の声がどうしようもなく恋しくなってしまうその時に。
Dido/Safe Trip Home