《英国出身の男性シンガー・ソングライター。10代になったばかりの頃からテルミンを操り、ビオラ奏者として活動する経験を持つなど、マルチプレイヤーとしても知られている。2003年に1stアルバム『Lycanthropy』をインディーズからリリース、05年の2nd『Wind in the Wires』が高い評価を獲得し、人気を確立した。07年3rdとなる『マジック・ポジション』で日本デビュー。民族音楽からエレクトロニカまで、雑多な要素を取り入れた独特のサウンドを聴かせる。》~CDジャーナルより~
70年代にも、パトリック・ウルフに似た雰囲気を持っていたアーティストがいたはずだけど、今は思い出せない。でも、確かデヴィッド・ボウイ、フォロアーだったはず。中世的なルックスは【JAPAN】のデヴィッド・シルビアン辺りも想起させます。
そのルックスが気になって、初めて試聴してみたけれど、自分の趣味にど真ん中のストライクゾーンだったので超感激!そして即アルバム購入。かなりポップで親しみやすい楽曲が満載でビックリでした。『LUPERCALIA』は4作目になるのでしょうか。
4作目のせいか、パトリックのヴォーカルは貫禄というか、ゆったりとしていて円やか、その安定感でもって、聴いているこちらの気分もとても落ち着かせる作用をもたらせてくれるようです。その声の質はぶっとくて、所謂
バリトンボイスの魅力です。
本格的な生ストリングスを導入している「
TIME OF MY LIFE」等、
80年代ポップのような親しみやすさとスケール感があって、マルチプレイヤー的なイメージはないが、細やかなオーケストラアレンジ等、クリエイターとしての拘りは凄く感じられる。
「SLOW MOTION」とかエレクトロニカとオーケストラレーションとの融合も感じられるし、何よりも美的センスが溢れているのが良いですねぇ。
打ち込み系のダンスビートを導入している「TOGETHER」もストリングスとのコラポが美しくて、高揚感がとてもあります。
管楽器を大胆に導入している「
THE CITY」は、展開の早さといい興奮度が高いし、「
HOUSE」はエレキピアノ、ストリングス、ヴォーカルが横方向の空間に拡散していくスケールの大きな楽曲。超名曲じゃないですか。
英国ではカルトヒーロー的扱いで評価が高いようですが、日本ではマイナーな扱い。何とも淋しい状況です。
とりあえず、私はパトリック・ウルフに出逢えた事に感謝。またまたフェイバリットなアーティストが増えたねぇ。(笑)
Patrick Wolf/Lupercalia