《2005年、地元札幌で活動開始。メンバーは山口一郎、岩寺基春、草刈愛美、岡崎英美、江島啓一。文学性の高い歌詞、様々なジャンルの要素を混在させた独自のスタイルを持つ。2010年1月リリースのマキシSingle「アルクアラウンド」でチャート上位に登場、メジャーグラウンドでの認知が浸透する。同年3月、4thアルバム「kikUUiki」では、楽曲のみならずグラフィックやMusicビデオの在り方、時代への先進性が話題となる。2010年の全国ツアーのチケットは即完売、さらに10月に武道館公演「SAKANAQUARIUM21.1(B)」を企画。エンターテイメント性豊かな“Show”として成功を収めた。》~CDジャーナルより~
2008年リリースしたセカンドアルバム『Night Fishing』を聴き始めていた頃、サカナクションはそれほどメジャーなバンドではなかった。その年出演したサマーソニックのソニックステージもオーディエンスは半分ほどしか埋まっていなかったし。でもその時に見たステージパフォーマンスと演奏力は抜群で、このバンドは将来必ず大きく飛躍するなと思っていました。
その後3rdアルバム4thアルバムと進んでいく内に、人気もあれよあれよというまにメジャー級に。自分は『Night Fishing』をずっと愛聴していたものだから、『シンシロ』『kikUUiki』は買いそびれ。『DOCUMENTALY』はそれ以来のアルバム購入でした。
先行シングルとなった「
アイデンティティ」。軽快さとトロピカルなリズムセクション、バンド名を象徴するような楽曲。事前に聴きすぎたせいか、新たな興奮はないけど、ライブではかなり上がる曲ですね。
今作は
残響音を大幅に取り込んでいるのが分かるのだけど、「モノクロトウキョー」なんか特に顕著ですね。楽曲のダイナミズムを強調しようとする狙いがあるのかもしれないけど、ややベース音が重すぎるような気がしないでもないです。
「アンタレスと針」みたいな小気味の良いエレクトロニクスは楽しい。しかも厚みが半端無い。いやー、ここ数年で随分とサカナクションも音楽的な幅が拡がったなと実感してしまうのです。
壮大さの中にもアンビエントな空間がある「流線」も然りです。
先にはアンダーワールドやケミカル・ブラザーズを標的に置いているようなダンスビート「Documentary」。
「
バッハの旋律を夜に聴いたせいです。」のPVは覆面かぶった山口さん(マネキン)が何人も出てきて、二人三脚ならぬ四人五脚以上でダンスする映像がとても面白かった。乗りは80年代テクノの要素もあって楽しめる。ちなみに私バッハ好きですが、月に見とれる事はありません。奇妙なダンスも踊りませんw。
アルバム中で1番か2番目に好きな曲「ドキュメント」。脱力感と満たされぬ想いは解消されず、愛の歌歌う事だけが残される。切ないです。でもこれはずっと継続していかなければ自分の存在証明にもならない。不毛ですね。
良くできたアルバムだなと思います。若干エレクトロに降られて歌心が薄くなっているような、チョット淋しいかなというのもあるけど。
サカナクション/DocumentaLy