カテゴリ:経済
来年施行される会社法によって日本の企業が外国の企業に買収されてしまうという話をよく聞きます。ニュースでは「三角買収」などと言われていますね。これはどういう事なのかを簡単に書いておきます。
現状、外国企業が日本企業を買収するには【現金】が必要です。日本企業の時価総額がかなりお安くなっている現在(←株安でそう言われています)なので、外国の会社は日本企業を今すぐにでも買収したいのが本音ですが、【現金】で買うにはちょっと気が引けるなぁ・・・という状態なわけです。 新しい会社法では、【合併時に消滅する会社の株主】に渡す【対価の範囲】を広げることになっています。現状は【存続する会社の株式】に限られています。これに加えて【現金】【債券】【不動産】【外国株式】も認められることになるのです。 う~ん、わかりにくいですね・・・ちょっと簡単に書きます。 【トマト社】が【かぼちゃ社】を買収したとしましょう。 ↓ すると【かぼちゃ社】は、なくなってしまいます。 ↓ 【かぼちゃ社】の株主さんたちが困るので、対価を渡します。 ↓ これはルールで【トマト社】の株を渡してあげる事になっています。 ↓ 元かぼちゃ株主 「良かった、これからはトマト社の株主として生きていくよ」 というのが現状です。トマト社の株を渡してあげるのが基本ルール。それが新しい会社法では、トマト社の株以外のものでもOKにルールが変更になるのです。 さきほどの流れですと 【かぼちゃ社】の株主さんたちが困るので、対価を渡します。 ↓ 新しいルールでは【パイナップル社(外国企業)の株式】を渡せます。 ↓ 元かぼちゃ株主 「良かった、これからはパイナップル社の株主として生きていくよ」 というのもOKになるわけです。 このルールの変更が『日本企業が外国企業に買収されると心配される原因』なのですが、どうしてでしょうか?じつはこのルールを使うと、【日本にある外国企業の子会社】が、【親会社の株】を使って【日本企業】を買収できるのです。 トマト社=日本にあるアメリカの会社 かぼちゃ社=日本の会社 パイナップル社=アメリカの会社(トマト社の親会社) と考えて見て下さい。 トマト社は日本にある子会社ですから、株価もそれほど高くありません。ですから、同じ日本の会社であるかぼちゃ社を買い取るのは難しいのです。ですが、トマト社の親会社であるパイナップル社の株価はとっても高いです。それを渡すことでかぼちゃ社を買収できるルールになれば、どうでしょう? 親会社であるパイナップル社も喜んで株を出しますよね。 『現金で買うのは気が引けたけど、株を交換するような形で日本企業が手に入るのならOKだよ!』 という感じです。 ちなみに時価総額を見てみますと シティグループが25兆円 東京三菱&UFJ合算で8兆円・・・・。 マイクロソフトが33兆円 ソニーが4兆円ほど・・・・。 銀行はともかく(偏見?)ソニーの価値がずいぶんと低いですよね。確かに最近のソニーは・・・な部分もありますが、「買って損はない!」と思われそうです。 やばいですね(涙)。 というわけなので、日本企業は株価を上げることに躍起になっているわけです。 === 今日の私事 === ちなみに、ライブドアの大活躍?で、三角買収を行うルールは一年間延期になりましたね。 === 今日の仕事 === 労働保険料の更新シーズンに突入です。 労働保険(労災保険と雇用保険)の保険料は、4月1日から翌年3月31日までの1年間を単位として計算することになっておりますので、事業主の皆さんには、平成16年度の確定保険料の申告・納付の手続きと、平成17年度の概算保険料の申告・納付の手続きが必要となります。 5月20日までの間に手続きを行っていただくことになりますのでお忘れなく! 昨年度に会社を設立された方などでよくわからない方はお気軽にご連絡下さい。創業2年以内の方は割引しております。 社会保険労務士淺井事務所公式サイトAsai-office.com 就業規則作成・コンプライアンス・CSR活動・アントレプレナー支援などの情報サイト お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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