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テーマ:海外生活(7779)
カテゴリ:読書
昨日の契約書に関して、相手のエージェントから連絡がない。
不動産屋に電話したが、電話に出たのは、そこのブローカの受付けの人。聞くと、今日・明日は研修で居ない、という。 たぶん、契約書をテナント側に渡し、来週にでも最終化するつもりだろうが・・ 最近のアトランタはきちんとした雨が一ヶ月以上も降っておらず、連日の猛暑。 30度を超える日が続き、もちろん芝刈りなんてとんでもない、という暑さだ。 幸いなことに、あまりの暑さに芝そのものも成長が止まっており、もう2週間以上芝刈りをしていなくとも、あまり手入れを必要とするほど伸びても居ない。 その上、雨の少なさから、とうとう散水制限まで出てしまったので、毎日水をまくこともできないので、当分の間、芝の成長は鈍化したままだろう。 そんなわけで、今日も読書の日になってしまった。 今日読んだ本は、今までほとんど読んだことが無い類の本。 一冊目は、飯島愛の「プラトニック・セックス」↓ 大分前の本だけれど、いつ買ったのか忘れてしまったが、今まで読まないまま積んであった本。 そして、もう一冊が、内田春菊の「ファザー・ファッカー」。↓ 読んでいて、ある意味憂鬱になってしまった。 左記の「プラトニック・・」は、飯島愛の自伝である。そしてあとの「ファザー・・」も、小説ではあるけれども、内田春菊の自伝的要素が入っているらしい。 これらは、著者のテーマがどこにあるのかは知らないが、すべての子供を持つ親にとって重要な、ひとつの共通のテーマをも含んでいる。 それは「子供から見た親」という視点である。 飯島愛は、御存知のようにAV女優として有名になったけれども、とにかく「不登校」「万引き」 「恐喝」「不純異性交遊」「援助交際」「風俗」「AV」「TVタレント」 といった全ての経験をたんたんとつづっていく。 そこには10代の女の子にとって、「世の中」というもの、「親」というものがどう映るのか、がなまなましく描かれている。 時はバブル絶頂期、20歳にもならない女の子が、身の回りを一つで数百万円もする腕時計や毛皮などの「物」で埋め尽くし、AVに出演することで、3ヶ月で1000万円、次の3ヶ月で2000万円の契約金を手にし、そういったお金を湯水のように使ってゆく・・・ しかし、なによりも考えさせられるのは、先日の「鏡の法則」ではないけれど、この飯島愛とその親との係わり合いである。 --------------------------- 朝起こすといつになく「ハーイ、起きてるよ」と返事をする。正直に登校し、下校も順調、塾にも行く。帰って来て家で漢字の練習をしている娘を見て、今日一日とてもうれしかった。ここ一年、こんなに気持ちのいい日は一日とてなかった。娘が中学生らしいとこんなに家の中が明るく楽しいものか、と涙がでるほどだった。 --------------------------- と母親は日記に書く。しかし、その現実の根本的なところを理解はしていない。そして、 -------------- 「てめえ、どけって言ってるのがわからねえのかよ!ぶっころすぞ!!」と机の上に足を乗せてゆするようにする。殺されることなど何も怖くない私は「殺したかったら殺しなさい」と答える。本当にこの子が自分の育てた子だと思うと、残念。そうとう悪になっていてもう手がとどかない。やはり来るべき時が来た様に思う。 -------------- というところまでゆく。この時点で、自分の何が娘(飯島愛)をここまで追い詰めてしまったのか、それがまったく自覚されていない。 それが、 -------------- 「ごめんなさい。謝るのはお母さんの方よね。ごめんなさい。私が間違っていた・・・」 これまで「私の育て方は間違っていない」としか言わなかった母がまちがった」---そう言っている。 (中略) 「ごめんね、ごめんね」 母の消え入りそうな声が、嗚咽の中にまじっている。 私は、母にずっと愛されていた、24年たって、私は初めてそのことに気づいた。 --------------------------- というところまで行く。 この本の最後のページは 「パパ、ママ、こんな娘でごめんね。」 という言葉がポツっと書いてある。 この本にしろ、内田春菊の「ファザー・・・」にしろ、私が感じたのは、 「この世の中に『親の資格』をもっている人はどれだけいるのだろう?」 ということだった。 もちろん、それは自分自身を含めての話だ。 世間では、名ばかりの「少子化対策」が議論される一方で、最近の若者の相次ぐ凶悪事件にいろいろな「分析」とやらがなされている。 「何が彼らをそうさせたのか」 そんなこと聞くまでもないだろう。 親が、世間が、社会が、そういった人間を作り出しているのだ。 そんな気になる本であった。 子供、特に娘さんを持つ親には、一度読んでみることを勧めたくなる本でもある。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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