私は、小説が書けない

７月にパスポートの更新をしました。しばらくして、「できましたので取りに来てください」ちっくな旨の通知ハガキが到着。それから月日は流れ、季節は変わり。あの頃、Ｔシャツ短パンだった私は、今では長袖に長ズボン。その間、ずっと・・・

取りに行ってへんかって～ん

どんだけ面倒臭がりやねんはい、確かに。けど、そういう突っ込みは無しの方向でお願いします

ちなみに、日本生まれで日本育ちのワタクシですが、一応これでも在日コリアンなので国籍は未だ韓国。だから、パスポートは韓国領事館で発行してもらってます。神戸にある領事館なんだけど、これが。中途半端に不便な場所にあってさ。それがねぇ～、なかなかねぇ～、取りに行かなかったねぇ～、理由なのよねぇ～、ということで許ちて

ってなワケで、本日。ようやく重い腰を上げ、行ってきましたわよ～

神戸にある韓国領事館のフルネームは「在神戸大韓民国総領事館」。こちらの窓口に座っているのは、どうでもええ情報かもしれないけど、オバチャンばかりなのです。約一名を除いては。そう、一人とんでもないほどのお美しいお方がいます。チェ・ジウとええ勝負です。けど、長身のジウ姉さんに比べ、この彼女は小柄なので、ある意味もっとカワイイのかもしれない。

この韓国美人。パスポート関連を担当されている方で、本当にお綺麗。が、しかし。ものすご～く無表情。顔の筋肉、セメントでできてるんとちゃうの？って疑っちゃうほど。喋る時は、唇だけを動かし、後はすべてノーリアクション、ノーエモーション。

さて、新しいパスポートを取りに行った私は、このクールビューティーさんの窓口へ直行しました。通知ハガキを提出し、パスポートを受け取るために必要な外国人登録書も提示。すると、彼女は「かなり前ですね・・・」と言い、パスポートがどっさりと入った箱をしばらくゴソゴソ。一番下から私のを取り出した。まず、私のパスポートの写真と外国人登録書の写真を見比べる。それから、目をこちらにやる彼女。そこで、クールビューティーさんからの一言・・・

「どういうご関係ですか？」

質問の意味が分からなかった。ゴカンケイ？何、それ？

ポカ～ンとしている私に向かい、彼女はまた言った。「ご本人様との関係です。ご家族とか、親戚とか？」

「いえいえ、本人です。それ、私です」と伝えると、クールビューティーさんは何度もパスポートの写真、外国人登録書の写真、そして生の私の顔を見比べた。

前髪を切ったからだわ、と思い、「髪切ったんです」と私。まだ疑り深い目でこっちを見てくるので、「ほらっ！」と前髪を手で押し上げ、おでこを見せてやった。それでも、クールビューティーさんは、納得いかない様子。そこで、私。ハッと気づいたのです。あまりにも悲しい現実を突きつけられました。でも、事実だからしょうがない。受け入れないと

パスポートの写真も、外国人登録書の写真も。どちらとも、きちんと綺麗にメイクを施しているワタクシ。が、しかし。今日の私は・・・

超スッピン

そんなに顔、違うか？自分ではそう思わんねんけどさぁ。めちゃショックやわ～。でも、傷ついている場合ではない。嘆いている場合でもない。私は、関西人。この重苦しい空気を「笑い」という武器で、くつがえさなければ！

「ビックリ？同じ人物と思われへんよねぇ。化粧の力はコワイねぇ。ははは～♪」と言うと。クールビューティーさんから、想像もつかぬ反応が

なんと、彼女が。そう、これまでウルトラ無表情だったこの方が。笑ったんです！「クスクス」で始まり、そして「アハハ」へと。一瞬のうちに、顔面筋がセメントからゼリーへと変化した決定的瞬間。それをプロデュースしたのは、はい。abimegでございますわよん。どうだ！すごいだろ、この腕前！参ったか？

兎にも角にも、無事に「本人」であることを証明し、新しいパスポートを手に入れましたとさ。１０年間有効なので、クールビューティーさんと会うことも当分はないでしょう。

ここで、ちょこっと不安が一つ。もし私が、今後海外旅行をする際。このパスポートを使うよなぁ。で、飛行機に乗る時はノーメイクよなぁ。じゃあ、空港でも止められるんかなぁ。またそこでも、本人証明せなアカンのかいなぁ～