カテゴリ:世の中の話題から
今朝の読売新聞に、『脳死臓器提供の意思、「拒否」登録が大幅増』という記事が載りました。
でもこれ、かなり意図的な記事だったんです。 内容を整理すると: 1)日本臓器移植ネットワークのホームページを通じた脳死臓器提供に関する意志登録をした人の9月の数字を10月4日に厚生労働省が明らかにした ※ネットワークへの意思登録は、臓器を(a)脳死と心停止のいずれの場合も提供(b)心停止の場合のみ提供(c)提供しない、の3種類 2)それによると、(c)の拒否の登録をした人が29%、と8月の10%、7月以前の2%よりも大幅に増加した 3)ネット登録は7月の改正法全面施行後に急増。厚労省は「(ネット登録は7月の改正法全面施行後に急増し)臓器の提供を望まない人が、積極的に登録をするようになったからではないか」と話している ということなんですが、実はこの記事に数字のマジックが。 「ネット登録が急増」に関して、記事では「9月は昨年度月平均の3倍以上の6302人が登録」とあります。つまり、昨年度の月平均では以下のように。 ・昨年度月平均登録者数:6302÷3=約2100人(より少ない) ・うち拒否登録者: 2100×0.02=約40人(より少ない) ・うち賛成登録者: 2100×0.98=約2060人(より少ない) でもって、今年の9月に関しては以下のように。 ・当月登録者数: 6302人 ・うち拒否登録者: 6302×0.29=1828人 ・うち賛成登録者: 6302×0.71=4474人 つまり、確かに拒否登録者は大幅に増えている(1828÷40=約46倍)ものの、賛成登録者も倍以上(4474÷2060=約2.2倍)となっていて、絶対人数では拒否者の1782人増に対して賛成者は2414人増、と1.35倍も多い、ということになるんです。 この「賛成登録者も倍以上に増加」ということ、少なくとも読売新聞は言及していません。これがもしも厚生労働省自体の発表でもそうであったとしたら、なぜ当事者がそのようなネガティブだけのニュアンスを発表したのか?という、ものすごく深く、ものすごく複雑な意図(「一部に抵抗勢力が?」みたいな)を勝手に想像してしまいました。 もしくは、これが読売新聞側での記述の仕方だったとすると、そこにもまたある意味の意図が。 ・・・うーん、これだから日本のメディアは面白い(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010/10/05 10:16:16 AM
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