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テーマ:サッカーあれこれ(19788)
カテゴリ:Liga Espanola
「もしピッチにおいて選手が倒れることがあっても、
ボールを外に蹴りださないことを宣言する」 先月29日、エスパニョールがクラブの公式HPで発表した一文である。 このような声明を出した理由について、「選手がピッチに倒れた際、試合を止めるのは主審であるべき」とし、「当初は紳士的行為であった蹴りだしが、いつのまにか形を変えてしまっている」ことらしい。 いつ頃から選手が倒れた際にボールを外に蹴りだし始めたのかは分からない。だが当初は本当に怪我をした選手がいた際にのみ行われていた蹴りだしであったが、その行為を逆手に取って、時間稼ぎであったり相手選手にカードを出させるために意図的に倒れる選手が最近では多くなってきた。このように選手がボールを蹴りだし主審が試合を止めた場合、倒れた選手は一度ピッチを出る必要がある。だが倒れた選手の多くはピッチを出た瞬間、何事もなかったかのようにピッチに戻ろうとする。これでは「倒れたのは演技だったのか」「時間稼ぎではないか」と批判を浴びても仕方がないように思う。 一方で、例えば腿裏に膝を入れられたときのように、時間が経てば痛みもなくなるがインパクトの瞬間の痛みは我慢できない強烈な場合もある。倒れてから試合が止まり外に出るまでの間に痛みが治まった場合、これは演技でもなければ時間稼ぎでもない。自然な痛みと回復である。これは負った当人にしか知りえない痛みであり、主審を含めそれを理解することはできても共有することはできない。 とはいえエスパニョールが言いたいのは、怪我をしている選手がいても試合を止めないということではない。本当に怪我をしている選手以外はピッチに倒れてはならず、クラブとしてそういう選手を許さないという明確なメッセージなのである。本当に重大な怪我を負ったのであれば、ボール保持者でなく怪我を負った選手の近くにいる選手が異変に気付き、主審に試合をとめるように提言するだろう。選手も人の子である。怪我を負った選手をみすみす放っておくことはしない。 この声明が出された直後の試合、エスパニョール対バルセロナのバルセロナ・ダービーを観戦した。 声明通り、エスパニョールはちょっとやそっとのことで倒れた選手(敵味方関係なく)がいても、ボールを蹴りだすことはしなかった。選手が倒れたらボールを蹴りだすという光景が当たり前のようになっているために、それはどこか違和感を感じさせるものであった。しかしこれが本当の紳士的行為が生まれる第1歩になるのであれば、その違和感もあまんじて受け入れることが出来、その違和感さえも感じなくなるような日が来ることを期待したい。 ほな、また。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.12.03 20:04:44
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