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テーマ:サッカーあれこれ(19860)
カテゴリ:Serie A
先日、今シーズンのチャンピオンズリーグにおけるグループステージの組み合わせ抽選が行われた。
実力伯仲の、いわゆる“死のグループ”もあれば、強豪が順当に勝ち進むであろうグループも存在し、各クラブ悲喜交々の想いを胸に抽選結果を見守っていたことだろう。 さて、今シーズンのグループステージ出場を決めたクラブの中に、いつもは名を連ねているクラブが1つ外れている。ミランである。ユベントスが3シーズン振りに復帰した一方で、ミランの名前がないことはファンとしては寂しい限りである。 昨シーズン、最後までフィオレンティーナと最後の椅子をかけて争ったものの、4位にわずかに手が届かず出場を逃したミラン。クラブ・ワールドカップに照準を合わせたために国内リーグがお粗末になっただの、世代交代が進んでいないだの、主力に怪我人が多かった等々、理由は決して1つではないだろう。そして終わってしまったものはある意味、仕方がない。重要なのは失敗に終わった昨シーズンの冷静な分析と確実な対処である。それを見誤らなければ、おそらく来シーズンには常連のごとくグループステージの中に名を連ねることが出来るだろう。 まずクラブ・ワールドカップの影響だが、これは意外と大きかったかもしれない。 世界一の称号はクラブにとっては大変な名誉であり、フロント陣もこのタイトル獲得に力を入れていたことは当時のコメントからも窺い知れる。だがそれにより国内へのモチベーションは多少なりとも落ち、チャンピオンズリーグとの並行、また日本遠征による過密日程は選手に少なくない影響を肉体面・精神面共に与えていたことだろう。だが今シーズンはその影響を受けることはない。もちろんUEFA杯を見下してはいないだろうが、ある程度の段階まではローテーションを採用して主力を休ませることが出来る。そうなれば選手は週1ペースで試合をこなすことができ、他の強豪クラブと比較しても肉体面では有利になってくる。 ならばクラブが考えなければいけないのは、所属選手の処遇である。 特に守備陣に高齢化が進んでいることは数年前からの事実であり、それに加えて怪我人が続出したのが昨シーズンだった。アンチェロッティ続投を決断したからには、マイナーチェンジこそあるだろうが継続が基本路線であり、その中で選手層を厚くする補強であったり、血の入れ替えを行うのが自然な流れである。ただ忘れてはいけないのは、これがミランで行われることだ。もしインテルで行われるのであれば、周囲の批判に目もくれず大型補強を次々に行うことで話は終わる。しかしそうではない。ミランは新規獲得選手とミランイズムともいうべき精神を持った、例えばユースからミラン一筋のような選手を融合させることで一時代を築いてきたわけだ。 そう思うと、今シーズンのミランの補強戦略に首を傾げたくなってしまう。 戦力外としてシミッチを放出しておきながら、ネスタの怪我の状態を考慮してセンデロスをローンで獲得したことは、選手層を省みない典型ではないだろうか。世代交代的に問題なく完全移籍のオプションがあるとはいえ、特にセンターバックに難があったのだからクラブに残しておいたほうが懸命だったように思う。 守備にはザンブロッタも加入し、中盤より前にはフラミニ、ロナウジーニョ、ボリエッロ(ローン移籍からの出戻り)、シェフチェンコを獲得し選手層は確かに厚くなった。だが彼らプラス既存選手をどのように構成するのだろうか。ピルロ、ガットゥーゾ、アンブロジーニ、カカ、パト、インザーギなど錚々たるメンバーが揃ってはいるが、いくらチーム状況がそうだとはいえ、ベンチでくすぶる選手も中には出てくるだろう。果たして彼らは我慢出来るのだろうか。今シーズンはそうでなくてもチャンピオンズリーグはないというのに。 また、選手層に一流が揃ったことでこれまでの控えであったブロッキや、パロスキといったある意味ミランイズムを継承すべき、あるいは屋台骨から支えるような選手が、出場機会の減少を恐れてクラブを離れてしまった。そして右サイドバックのオッドもザンブロッタの加入でリヨン移籍が濃厚と言われている。 監督は継続路線ながら、選手は大きな変更が行われて新シーズンを迎えるミラン。 この状況は昨シーズンのバイエルンと似てなくもない。トニやリベリといった大型補強を敢行して、1シーズンでチャンピオンズリーグに戻ってきた彼らにミランは倣うことが出来るのだろうか。 ほな、また。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.08.29 19:51:30
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