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2013年06月28日
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カテゴリ:小説すばる2013年
小説すばる 2013年7月号

彼が通る不思議なコースを私も 第一回 白石一文

霧子は、彼を初めて見た時、「死神」だと思った。
しかし、それが運命の出会いだった・・・。
待望の短期集中連載、いよいよ開始。

(小説すばるより転載)

小説すばるtwitterによると、
白石一文さんのtwitterで、
「去年の12月から3月まで四ヶ月かけて書いた500枚超の長編を3回に分けて連載」
とありました。
7月号は怒濤の38ページ、物凄いボリュームです。130枚くらいありそうです。

澤村霧子は大学時代からの友人・新垣みずほと共に大学の一年先輩の吉井優也の
勤める会社の会議室にいる。新垣みずほが吉井優也と別れ話をするためだ。

新垣みずほが別れ話をはっきりと言うと、吉井優也は驚くべき行動に出る。
そして吉井優也の行動を見ていた「死神」のような男と澤村霧子は出会う。

一週間後に合コンに出た澤村霧子はなんと「死神」と再び出会うのであった・・・。

これ、面白すぎ!!もう、のっけから物語に引き込まれました。
白石さん特有の文体に浸ってしまうと、もう大変。
ページをめくる手が止まりません~!

話もものすごく面白いのですが、「死神」こと椿林太郎のキャラが何とも魅力的。
小学校の教師なのですが、まったく普通の教師ではありません。

大体、東大の理3だって現役で合格したであろうほどの超切れ者。
それが子供の頃の経験から教師を目指し、「早稲田なんか」に入学して
教師になったちょっと変わり者です。

椿林太郎の子供時代の話がまたスゴイ!
こんな子供時代を送ってきたなんて・・・!。驚異的です。
この手の天才肌の人には本当にありそうなエピソードで妙に納得してしまいました。

色々出てくるどのエピソードもいちいち納得してしまいました。
ヘレンケラーの言葉とか、霧子の昔の彼氏との話とか感心しっぱなし。

椿林太郎の学校での活動は、一般的に言えば普通ではありませんが、
椿が生徒のことを思う気持ちはとても良く伝わってきますよね。

直木賞をもらった「ほかならぬ人へ」もべらぼうに良かったですが、
今作品はそれを上回りそうな予感・・・。


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最終更新日  2013年06月28日 21時06分18秒
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