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2015年12月19日
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カテゴリ:小説すばる2015年
小説すばる 2015年12月号

慈雨 最終回 柚月裕子

警察官として四十二年間勤め上げて退官した神場智則は、
妻の香代子と巡礼の旅に出た。道中の夜、神場の
忘れられない記憶・金子純子ちゃん殺害事件と類似した
事件が起きたことを知り、とうしても傍観できず、
かつての部下・緒方を通して捜査への協力を引き受けた。
捜査は一向に進まない日々、神場の思いは夜長瀬の
駐在時代や昔の事件など、どうしても来し方に向かう・・・・。

(小説すばるより転載、一部省略)

本格警察小説・慈雨が最終回でした。

事件は解決に向かいますが、全てハッピーエンドというわけには
いきません。むしろ重苦しくなった感じです。

警察を定年で退職した神場が主役ですが、
現在の事件は、後輩の刑事が足で稼ぎました。

名探偵も、スーパー警察官も居ません。
地道な捜査と、入念な考察。
実際の捜査はこんなふうに地味なんでしょうね。

退官して歩き遍路をする神場。
過去の事件もからんできて、読み応えのある長編でした。

歩き遍路のガイドになっているのも注目です。
歩き遍路は物凄く大変なので、
歩き遍路をするのに理由がある人が多いのでは?
と想像させます。

途中ダレることもなく、圧倒的な迫力でした。
単行本になったら一気読み必至でしょうね。

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最終更新日  2015年12月20日 00時27分42秒
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