カテゴリ:小説すばる2015年
小説すばる 2015年12月号
慈雨 最終回 柚月裕子 警察官として四十二年間勤め上げて退官した神場智則は、 妻の香代子と巡礼の旅に出た。道中の夜、神場の 忘れられない記憶・金子純子ちゃん殺害事件と類似した 事件が起きたことを知り、とうしても傍観できず、 かつての部下・緒方を通して捜査への協力を引き受けた。 捜査は一向に進まない日々、神場の思いは夜長瀬の 駐在時代や昔の事件など、どうしても来し方に向かう・・・・。 (小説すばるより転載、一部省略) 本格警察小説・慈雨が最終回でした。 事件は解決に向かいますが、全てハッピーエンドというわけには いきません。むしろ重苦しくなった感じです。 警察を定年で退職した神場が主役ですが、 現在の事件は、後輩の刑事が足で稼ぎました。 名探偵も、スーパー警察官も居ません。 地道な捜査と、入念な考察。 実際の捜査はこんなふうに地味なんでしょうね。 退官して歩き遍路をする神場。 過去の事件もからんできて、読み応えのある長編でした。 歩き遍路のガイドになっているのも注目です。 歩き遍路は物凄く大変なので、 歩き遍路をするのに理由がある人が多いのでは? と想像させます。 途中ダレることもなく、圧倒的な迫力でした。 単行本になったら一気読み必至でしょうね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015年12月20日 00時27分42秒
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